・・・あれ?
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左腕にはめたリングを外れないようにより太い部分へと突き上げていく。俺の腕が細いのか、リングの輪が大きいのかわからないけど、それは上腕のところまでスッと入っていき、一番太いところでようやく止まる。
(これならそう簡単には奪われないだろう)
手首に付けていると、トレジャーハンターのスキル力で持っていかれるかもしれないけど、ここまで上げているといくらなんでも奪うことは難しいはず。おまけに向こうは手首よりも上には上げれないみたいだし、これはこっちが有利。
(それに、向こうはたったの一人!!なんとかなるはず!!)
相手側が一人ずつ分散するのか、はたまた数人のチームを作るのかは予測することができなかったけど、今の段階だと相手はたったの一人。例え身体能力で劣っていても、数の関係でこちら側が攻めやすいのは言うまでもない。
「シリル、気を抜いたらダメだからね」
「わかってるよ」
だけど、油断は禁物だ。なぜならこれだけ有利な点がこちらにあるのに、相手は逃亡して他のリングを探そうとする気配がないからだ。自分の力に自信があるのか、味方が近くに隠れているかはわからないけど・・・気を抜くのは絶対にしてはいけない!!
「・・・」
対する敵は、口を真一文字に結び瞬き一つせずこちらを見据えている。それにより場の緊張感が次第に高まってきて、こちら側も口数が減っていく。
(あれ?)
しかし、ここまで来てあることに気がついた。これって・・・どうやって奪い取ればいいのかな?
「行くよ!!」
「あ!!シェリア!!」
魔法が使えないので、どうやってリングを奪い取ればいいのか迷いが生じた。だが、その瞬間にシェリアが飛び出してしまい、遅れまいと大急ぎで付いていく。
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
いつもの感覚で高くジャンプをして拳を降り下ろす天神。しかし、魔法を使えないとあってスピードがいつもよりも乗っておらず、あっさりと交わされてしまう。
「そこだ!!」
「!!」
だが、トレジャーハンターが避けた先に俺が先回り。おおよそ直感的なものだったけど、運良く目の前に来てくれたため、左手首につけられたリングへと腕を伸ばす。
「甘いな!!」
敵のリングに伸ばした右腕。しかし、敵はあえて狙われているその腕を伸ばしてくる。その行動は予想していなかったため、俺の奇襲は空振りに終わり、あろうことかトレジャーハンターの伸ばした腕が、俺の上腕につけられているリングを掴んだ。
「しまった!!」
完全にしてやられた。まさかあえて立ち向かってくるとは想定していなかったため、自分のリングを守ることに意識を全く向けていなかった。そのため、相手にいとも容易くそれを掴まれてしまい、引き離すことに必死になっている。
「とお
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