第10節:騎士王再来
[6/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
《トレース・オン》。」
俺もマシュを守るため再び剣の丘からあの花冠を取り出す…
「体は、剣で出来ている。」
そこまで言った時、俺を制するように遠坂の手が目の前に出される
「遠坂!?」
「見てなさい、士郎。あの子は確実に宝具を展開できる、こういう時の女は本当に強いんだから。」
「だけど……」
「それにね。見てる以外で士郎が今出来ることがあるとして、それは誰でもないあなた自身が一番解ってるはずよ?」
その問いを投げかけられたことで、俺はある考えに至る。
「! ……そうだな。俺が出来ることなんて決まってる。ありがとな遠坂!」
「ふふ。解ればいいのよ。ほら、早く行ってあげなさい。」
「ああ!」
−sideイリヤ−
私はキャスターさんとマシュさんの特訓をびっくりしながら見ていた。
(な、なにそれむちゃくちゃすぎだよ!こんなの見てられない!)
私は飛び出そうとした。
だが、見覚えある手がそれを遮る。
「クロ?いきなり何するの!」
そう、もう一人の私。私の双子の妹、クロエがそこにいた。
「落ち着いてよく見なさいイリヤ、あの光景を。何か思い出さない?」
「何を言ってーーーあっ?も、もしかして?」
そう、それはかつてある並行世界で私が身をもって経験したある出来事に酷似していた。
「そ。今のマシュはあの時のあなたのようなものよ。
誰かを助けたい。誰かの力になりたい。けど弱音をたくさん吐きたくなるほどに戦う覚悟が半端だから力をフルに出しきれない。
そう、うじうじイリヤだったころのあなたにね。」
「う、うじうじは余計だよ!でもそっか、だから……!だけど、だとしても私は……」
「マシュさんを助けたい、でしょ?」
「うん、そう…ってミユ?」
今度は私の大親友、ミユが私を驚かせてくれた。
「ゴメン、驚かせちゃった?」
「あ、うん、ちょっとだけ。でも、なんでミユは私が言おうとしたことがわかったの?」
「それは……私はイリヤの友達だから。
それに、マシュさんがあのころの私にも似てるように見えたから。きっと誰かの支えを、助けを必要としてるという点で。」
「ミユ……」
あの頃、あの世界でまた一人ぼっちにされていた美遊だからこそ語れるそれらの言葉は私の心にとても重く響いた。
「だから、行ってあげて。私はあの時イリヤが助けに来てくれて本当に、本当に嬉しかった。クロもつまるところ、それが言いたかったんでしょ?」
「ええそうよ。まーったく、ミユに言いたいこと全部持ってかれちゃったわ。ほらイリヤ、ぼさっと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ