第10節:騎士王再来
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「いやほんと、いきなり大きな声出さないでよマシュ。今のは本気で鼓膜が破れるかと思ったわ。」
「そ、そうですか。本当にすみません。」
遠坂の発言にシュンと縮むマシュ、うん、なんか悪い気がしてきたな
「キャスター、わざとじゃなかったんだろうけど純粋なマシュをからかうのはやめてくれ。」
「? そうか?まあ、気を悪くさせちまったってんならすまねぇな。」
と、そこで急にキャスターが俺の肩を叩いた。
「なんだ?」
「おう、てなわけで急だがちょっち付き合え。そこの嬢ちゃんもな。」
「え、あ、はい!」
庭へと出て行くキャスターに続く為にマシュが霊体化させていたブーツを纏い、先に外に出た。
そして俺は靴を履く為に玄関へと回り、戸棚からマシュがしまってくれた靴を取り出して履く。
動きやすい様につま先を地面でトントンと突き、鍵を閉めていた扉から外へと出た。
そして庭へと続く細道を進んでいると、不意に爆発音が俺の鼓膜を振るわせた。
「っ!今のはまさか敵襲か??だとしたらマシュの身が危ない!急がないと!」
そして庭に辿り着いた俺が見た光景は俺の予想を裏切るものだった。
俺が見たもの。それは、杖から炎を放つキャスターと、それを必至に回避しようとしているマシュの姿だった。
キャスターの炎は前に出たマシュの盾によりかき消される。
マシュは盾で炎と石を弾きつつ反撃の機会を伺っているようだが、もともと疲労困憊だったため難しそうだった。
マシュは信じられない、と言った風にキャスターを見、問いかける。
「キャスターさん!? さっきから何をしているんですか!?」
「何って特訓だ特訓。ちと荒療治だがな。おい嬢ちゃん、お前が宝具を使えねえこと、それは明日の戦いにおいて致命的な弱点となっちまう。てなわけで……俺は今から本気でそこにいるお前のマスターに、宝具でなくちゃ絶対相殺できない一撃をかます!死なせたくねえなら、決死の覚悟を抱いてかかって来やがれ!」
「そ、そんな、無茶苦茶な!!」
「それが出来なきゃ坊主が死ぬだけだ!明日にはもう決戦なんだぞ、わかってんのか!」
「そ、それは……」
……キャスターは本気だ。かつて経験したから言えるが、こいつはやると言ったらやるタイプだ。
キャスターがこうやって本格的に荒々しいやり方を行使しなくちゃいけないくらい切羽詰まった状況になってしまっているのだろう。
「な、何それメチャクチャじゃない!」
隣を見ると、俺と同じようにさっきの爆音を聞きつけたのかイリヤたちが既に転身した姿でキャスターとマシュの特訓を唖然といった感じで見つめていた。
「|投影、開始
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