第10節:騎士王再来
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ってそっちに座ればいいじゃないか。」
「ちっせえ事気にすんなや。おい坊主ぅ!まだかぁ?」
「できてるよ!けど、自分のくらい運んでくれ!たく……しょうがない、おいギル。お前も手伝え。」
「えーなんで僕なんですか?他にもたくさん人手がいるでしょうに。」
「お前が今まで一番暇そうにしてたからだよ。」
「それならそこのステッキもそうでしょう。」
子ギルがそう言ってルビーの方を見た時には、ルビーはイリヤの髪の中に潜り込んでいた。
「あいつが働いてないのは私も認めるけど、今は早く行きなさい。あんたもお腹はすいてるでしょ?」
「えーでもなぁ。」
「ゴチャゴチャ言ってると契約を解除するわよ。あんた、今はなんでか受肉が解除されちゃってるんでしょ。」
「ちぇっ、しょうがないなぁ。まったく、クロさんといい凛さんといい、こんな弱そうな僕をパシらせるなんてホントどんな神経してるんだか。」
「いやどこがなの?」
「イリヤの言う通りよ。それにね、この国には働かざるもの食うべからずっていうことわざがあるのよ。あんたも知ってるでしょ。ほら、わかったらとっとと士郎を手伝う!皆待ってるんだから。」
「はいはい解りましたよ。やればいいんでしょ、やれば。」
ギルはそう文句をこぼしながらも台所にやってきた。
なので俺は皿によそった焼き飯をマシュとギルに渡し、自身も運び役にはいる。剣崎さんと美遊も進んで手伝ってくれたので往復は一回で済んだ。
ふと、気がつくとオルガマリーさんが座敷に横になり眠りへと落ちてしまっている事に気がついた。
「所長、起きてください。少しでも胃を満たしておいた方がいいですよ」
「……うーん。トリシャ、もうちょっとだけ、もうちょっとだけ起こさないで……」
「先輩、どうしましょう。所長が私を知らない人と認識してます。」
「それはただ寝ぼけてるだけじゃないか?」
剣崎さんのツッコミに俺たちは笑いをこぼし、そのままオルガマリーさんを揺すり続ける。
〜〜数十分後〜〜
「ごちそうさま。やっぱ士郎の料理は美味しいわね。」
「ごちそうさま〜。うん、やっぱりどの世界でもお兄ちゃんの料理はあったかくて優しい味だね。」
「うん、食べているとお兄ちゃんの思いやりが伝わってくる。」
「そうそう。まさに、これぞ”お兄ちゃん”って感じよね。」
「そっか。ありがとな。」
「えっと、ごちそうさまでした、でいいのかしら。」
「そのはずです所長。大変美味しかったです先輩。」
「はい、お粗末様でした。」
「坊主、相変わらずお前の料理はうめぇな。お前料理人としても生きていけんじゃねぇの?」
「ああ。ジャンクフードばかりで長らく忘れ
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