第4節:A.D.2015 〜人理保障機関フィニス・カルデアB 中央管制室にて〜
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ッとしててね。」
「はい、お願い、します・・・」
マシュに確認をとり遠坂が治療を再開しようとした時だった。
ドォォン!!!!
何かが落下した音が聞こえた。思わず後ろを振り向く。そして俺は何が起きたのかを知った。そして運命というものはやはり気まぐれなのかもしれないと思ってしまった。
何故なら、新しく天井から落下した瓦礫によって俺がさっきなんとか隔壁を破壊して作りだしたこの日部屋のドアへと続く道が完全に塞がれてしまっていたからだ。
その瓦礫は解析してみたところマシュを押し潰していたものよりも全体的にかなり大きく厚く、また隔壁にかけられていたのと同種の魔法がかけられているということが判明した。また遠坂はマシュの身体の治療の為に自身の持つ全ての回復系の魔術を総動員していたので魔力がかなり減ってしまっている。つまりマシュのことを考えると、この状況では取ってはいけない方法なのだが俺の攻撃で壊すしかないということなのだ。
『館内清浄開始まで残り30秒を切りました。』
そこへまるで申し合わせたかのように残り時間がごく僅かであるということを告げるアナウンスが流れこの状況をさらに悪化させる。
こうなると此処からの脱出はもう不可能に近いと言える。だが、
「あきらめない、最後までとことん足掻いてやる??」
そう叫びながら俺は目の前の瓦礫を壊してゆく。
マシュの身体の状態を考えるとやってはいけないのにやらなくてはいけないとはなんたる矛盾だろうか。
「ほんとにすまないマシュ!お前の身体ことを考えるとほんとはやっちゃいけないのに??」
この状況でその方法しか思いつけず、また選べない自身の無力さに俺は心底腹が立っていた。
(また俺は救える筈の命を見捨てるのか!正義の味方になるって誓ったくせになんて最低な奴なんだ、俺は!」
『館内洗浄まで残り20秒。』
(更に状況は悪化してゆく。なのに、ただこの瓦礫を壊すしかできない。)
「クソッ、いったいどうすれば!」
イラつきかける。だがそこで突然マシュが俺を呼んだ。
「先輩・・・こっちに、来て、くれませんか?」
すぐに駆け寄る。
「どうしたんだマシュ、やっぱり傷が傷むのか?」
「いえ、違い、ます・・・。」
だがマシュはそう言いながらボロボロの身体で精一杯首を横に振った。それは彼女が今の状態でなければ到底振ったとは言えないものだったが。
「なら、いったい何なんだ?」
どうしても気になってしまう。
「落ち着きなさい士郎!」
「先輩、そして凛さん。私の両手を握ってくれませんか?やっぱり最期は先輩たちの手を握りながら、逝きたいので・・・」
その瞬間怒りではなく悲しみが溢れそうになった。
「なんだ、そ
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