第3節:A.D.2015 〜人理継続保障機関フィニス・カルデアA 医務室にて〜
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感動するねぇ。もしゃもしゃ。」
先ほど遠坂相手に在り来たりな悲鳴をあげていた人が呑気にお菓子を頬張りながら、勝手に感動していた。
「笑っていないで早く先輩に自己紹介をしてください、Dr.ロマン。」
「ああ、ごめんごめん。そうだったね、じゃあ僕も改めて名乗らせてもらおうかな。僕はロマ二・アーキマン。此処、人理保障機関フィニス・カルデアの医療部門の最高責任者だ。何故だかわからないんだけど皆からはDr.ロマンという略称で呼ばれててね。でも言いやすいし、君も遠慮なくロマンと呼んでくれて構わないよ、衛宮士郎君。」
「それにさ、さっき凛君にも言ったんだけど、実際ロマンって響きはいいと思わない?かっこよくて、どことなく甘くていい加減な感じがするしね。あと、この髪型は時間がなくていつも適当にセットしてるんだ。」
「そ、そうですか。」
(さっきからこの人の話を聞いてて思うけど、さっき遠坂が言ってた通り、どこかゆるゆるふわふわとした感じのする人だな。)
そう思いながら遠坂を見ると、表情から察するにどうやら俺と似たようなことを思っているようだった。一方でマシュは、怒るような顔つきでDr.ロマンを見ていた。というより、少し睨んでいた。何故だろう?と思ったが、その理由は数分後、Dr.ロマンが美味しそうに饅頭を食べている時に判明した。
「もしゃもしゃ、やっぱり美味しいな〜これ。士郎君と凛君も食べるかい?」
「俺は遠慮しておきます。」
「私も結構です。」
「そうかい?じゃあマシュはどうする?」
「私もいりません。というかドクターロマン、先ほどから言おう言おうと思っていたのですが貴方が食べているそのお饅頭、私が自分のおやつにととっておいたものなのですが?」
「え、そうだったのかい?気づかなくてごめんよマシュ。でもやっぱり美味しいねえこのお饅頭、もしゃもしゃ。」
ドクターはそう言われてもあまり気にせず饅頭を頬張っていた。それを見たマシュはどうやら堪忍袋の緒が切れたようで、
「・・・・・ドクター、少しお話しがあります。」
と言いながら、Dr.ロマンに近づいていった。その足取りは重く、その一歩一歩からズン!やドォン!といった類の効果音が聞こえてきそうなくらいだった。
「え、ど、どうしたのさマシュ。なんで僕をそんな冷たい目で見るんだい?そしてなんで僕の首根っこを掴もうとしてるのかな?あ、もしかして今さっきのお饅頭の件かい?だったらほら、この通り謝るからさ。今回は見逃してくれないかな?」
「いいえ、今日という今日は今までの件も含めてはっきりと注意させてもらいます。覚悟してください、Dr.ロマン。」
「そんなーーー?神様仏様マシュ様どうか、どうか、ご慈悲をーーーーー!」
「フォウ・・・・・」
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