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歌集「春雪花」
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 想いとは

  かくも胸を

   掻きむしり

 君を求める

    今ぞ悲しき



 想うということは、とても苦しく辛く…この胸を掻き毟らんばかりだ…。

 それでも彼を想い…毎日彼のことを考えては辛くなるばかりで…どうしても諦められない…。


 そんな今が…なんと悲しいことか…。



 逢ふもなく

  雲に隠れし

    君なれば

 吹く風弱く

    月もなかりき



 会いたくて仕方無いと言うのに…彼に会うことは叶わない…。

 想いは募り…あちらこちらに彼との思い出を垣間見る…。

 まるで雲に隠れた月のような…そんな彼のことばかりが心を覆う…。

 雨雲の淀んだら夜闇に風が吹く…だが、こんな弱々しい微風では、雨雲を吹き飛ばすことは出来まい…。

 彼という月がなければ、私の足元は覚束ず…どこを歩いているかすら分からないのだ…。




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