新風
新たな潮流
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
様の御帰還は兵達に知れ渡り、大いに戦意が上がっております!
戦場の事は我等に御任せあれ、安心して御体の訓練に専念して下され!!」
ルナンが年甲斐も無く拳を震わせ、滂沱と溢れる涙を拭いもせず声を張り挙げる。
白髪のダルカスと温厚なワリスも眼を潤ませ、ローニウスの紅潮した顔も輝いた。
「困難な戦いに弱音を吐かず良く従いて来てくれた、心の底から感謝しているよ。
戦いに身を投じてくれた全員に直接、礼を言いたい所だが魔道師が足りない。
ケイロニア軍の参戦で今後の見通しは明るい、今までの苦闘に感謝すると伝えたい。
残念だが已むを得ない、広場に集合して貰い語り掛ける形で勘弁して欲しい」
「何よりの御言葉です、ナリス様!
皆、どんなに喜びます事でしょうか!!」
「そう言ってもらえると助かるな、皆を広場へ移動させてくれないか?
整列など必要ないし市民達も一緒で構わない、共に喜びを分かち合って貰いたい。
マルガの民達から直接、感謝の言葉を聞ける方が良いと思うのだが。
戦っていない者達と同じ扱いは不当だと、不満に思われるだろうか?」
「そんな事はありません、そのような不心得者は1人もおりません!
御心遣いに感謝致します、部下達も市民と共に喜びを爆発させる事になりましょう!!」
「重ねて感謝するよ、親愛なる戦友諸君。
全ての戦友達や市民達と共に、私の挨拶を受けておくれ」
ナリスが光り輝く微笑を見せ、各々に視線を走らせ早速行動に移る様にと指示。
武将達は喜び勇んで、一刻も早く兵達を移動させんと部屋を駆け出して行った。
マルガ離宮の瀟洒な建物に面する広場には、興奮気味の市民達が集い立錐の余地も見当たらぬ。
天にも届くかと思われる熱気と興奮が渦巻き、眼に見えぬ不可視の陽炎と化し頭上へ昇華。
古代機械内部で未知の治療を受け生命力を回復、生還後は初めて公の場に登場する指導者。
アルド・ナリスは身体を支え切れぬ両脚、覚束無い平衡感覚を訴え左右2人の補助を要求。
聖王家の著名人を左右から支える大役を、ヴァレリウスから取り上げると宣言。
ヴァラキアの学究ヨナに一方を割り振り、参謀長の影響力を一気に拡大する術策を解説。
「どうして反対するのだね、絶好の機会じゃないか!
パロの民から敬愛され信望を一身に集める聖王家の象徴、リンダは当然として。
愛妻と並ぶ最大の側近は誰もが元宰相、ヴァレリウスと予想するだろうけれど。
それでは面白味に欠け演出家として落第だね、隠し玉が無いと衝撃も僅少だよ。
誰もが知る最強の魔道師を差し置いて、私の身体を支える謎の人物が初めて公の場に登場する。
誰も知らぬ怪しい若者の正体を巡り、疑問が大爆発するのは当然だろうね。
パロ聖王家の美男美女
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ