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『零と先輩』
『不変』

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数年後、先輩がライブを観に友達と来ると聞いた。
以前にも逢えるかもしれないというチャンスは有った。
でも、タイミングや都合が良くなくて逢えなかった。
今度こそ逢いたかった。

ライブの前に観光するとのことだったから、逢えても一瞬のことだろうと思ってた。
でも、それでも逢いたかった。

その日は、やっと逢えるという気持ちで楽しみだった。
近くに来たというメールで階段を降り、周りを見渡す。
あと100Mで目的地というメールを貰って、息子が信号待ちの先輩の車を見つける。

息子も一緒に逢った。
息子は車大好きでテンション上がりまくりで、おまけにルアーまで貰って大喜び。

零は、いつまでも変わらない先輩だと実感することが出来て嬉しかった。
人って環境で変わってしまう。
そんな人が多いと思う。
でも先輩は良い意味で変わらなくて本当に嬉しかった。

零は、逆に変わっただろうな。
信念も正義も何もかも貫けてない。
自分らしくもない。
こんな自分、本当は嫌でたまらない。
でも、息子が居るから、1人じゃないから、そう言い訳しながら生きてる...。

決して誰にも胸を張れない。
何にも自信は無い。
存在意義すらない。
強いていえば我が子の為の命。



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