MR編
百四十三話 収穫の丘にて
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と色々あって、今は、話しづらい感じになっちゃってるけど……それは、私とリョウの考え方がちょっと合わなくて、意見が食い違ってるってだけなの。だから、ユウキはそんなに気にしないで?大丈夫、お母さんの時と同じ、自分で何とか出来るから」
強気に微笑んでそう言ったアスナだったが、ユウキの表情が未だ晴れないのをみて、すぐに表情を曇らせた。まだ、彼女には心配事があるのだ。
「……でも、ボク……アスナにもういっぱい迷惑かけてるよ……リョウさんの事もだし、この前のボス戦も手伝ってもらって、今のバーベキューだって……アスナ、僕たちのせいで友達にずっと隠し事しなきゃだし……」
「そんな事……私がそうしたいからしてるだけだよ。ユウキたちの事も、隠すのは、ちょっと悪いっては思うけど必要な事だと思うし……」
「……でも……」
「なら、隠さなきゃいいんじゃないの?」
「え。うひゃあ!!?」
いきなり真後ろからした声にアスナが振り向く、と、草むらの中から顔だけを出したリズが、ニヤリと笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「り、リズ!!?」
「ほらねシリカ。やっぱりなんか隠してると思ったのよ」
「だからって、盗み聞きはやっぱりよくなかったと思いますけど……」
「し、シリカちゃんまで!?何してるのよもう!!」
リズに続いて草むらから出てきたのは、彼女とペアになっていたはずのシリカだ。彼女のほうはやや後ろめたい様子で、相棒のピナもやや非難するように「くくるぅ」とリズに対して鳴いている。
「だって、こうでもしないとアンタ絶対何にも言わないもの。必要に迫られた故の、仕方ない行動なのよこれは」
「だ、だからって……」
「ごめんなさいアスナさん……でも、その、ユウキさんもずっと、私達を見てる時ちょっとだけ辛そうな感じがしてて……」
「えっ……」
しおらしくユウキにも頭を下げるシリカに対して、ユウキは驚いたように声を上げた。自分ではそこまでは自覚がなかったのだろう。
と、リズも流石に少しばかりバツが悪くなったのか、頬を掻いて言う。
「その……アタシもシリカも実を言うと、アスナがアタシ達になんか大事なこと隠してるなーってのは感じてたのよ……しかも、結構前から」
「そ、そうなの!?」
「そりゃそうよ」
聞き返したアスナに、やや呆れたようにリズが苦笑する。
「例のプロープの事とか聞いた時も、実家の話とか聞いた時も、あんまり顔に出してないつもりだろうけど、アタシは店で……シリカは、まぁ若干ムカッときますけど?この子の顔目当てで寄ってくる男から身を守ったりするのに、それなりに人の顔色窺って生きてきてるのよ?まして付き合い長いアンタの顔色の変化とか、そんなのすぐわかるっての」
「……あ、え、えぇっと……」
「ムカッと来るってなんですかー」
それなりに
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