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SAO─戦士達の物語
MR編
百四十三話 収穫の丘にて
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手を振って言うリーファに微笑みながら少し思い出すように遠くを見る仕草をした、その様子を見て、リーファは答える。

「大丈夫です!」
「……そうですね……私たちのリーダーは、私達自身が全員の意見を一致させて決めたんです。私もみんなも、ユウキ以外のみんなが全員、ユウキがリーダーになるべきだと言いました。勿論、私も。ユウキは、今リーファさんが言ったように、私がリーダーになるべきだって言ってくれましたけど」
照れるように笑って言うシウネーから何故だろう、とても大切なものを心の内から引き出して語ってくれているような、そんな気配をリーファは感じ取っていた。

「でも、どうしてユウキさんだったんですか?それも、みんながみんな……」
「彼女は、個人的にリアルで事情があってギルドから引退した前のギルドリーダーのリアルの妹なんです。前のリーダーはギルドの結成メンバーである最初の三人の一人でもあって、ユウキ自身もその一人でした。三人の内、もう一人もリアルの問題で、ゲームを続けるわけにはいかない事情が出来て、やめてしまっていたので……」
「そっか、それでユウキさんが……」
「はい。ただ……」
ふと、シウネーの笑顔がどこか、自嘲気味なものになったのを、リーファは感じた。しかしシウネー自身はそれに気が付いていないかのように、話を続ける。

「本当は、私達の中で、ユウキが一番強かったからなのかもしれません」
「あぁ……分かります。一戦だけでしたけど、ユウキさんの剣はほんと凄かったですよ。私の周り、結構強い人ばっかりなんですけど、その人たちと比べてもそん色ない……ううん、もっと、それ以上かも……」
「そう、そうですね……剣の、戦いの腕もそう、なんですけど……」
「?」
「……あの子の、心が……」
溜まっていた何かを吐き出すような、損な深い息と共に出された言葉。その気配から深い何かを感じて、手拍子にリーファは繰り返す。

「心が……ですか?」
「……あ、いえ。そうですね……あの子は、凄く精神的に強くて真っすぐなので、私達を引っ張っていってくれそうな気がして」
「あ、なるほど」
確かに、あの元気いっぱいな少女なら、ギルドの先頭に立ってメンバーを引っ張ってくれそうではある。ただ……

「(何か……言いかけた……?)」
直前の違和感にそう感じて、内心首を傾げた、と、今度はシウネーが尋ねる。

「あの、私からもいいでしょうか?」
「あ、はい、なんですか?」
「あの、あまりリアルの話を持ち出してはいけないと承知はしているのですけど……リーファさんは、リアルでもキリトさんの妹さんだと」
「あ、はい。……あ、お兄ちゃんが何か……?」
また自分が知らない間に何かしでかしたのだろうかあの兄は。と思い、少し妹モードに入って返すと、シウネーは慌てて首を
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