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SAO─戦士達の物語
MR編
百四十三話 収穫の丘にて
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?で、でもそれはサチさんのでは……」
「私は、お先に一つ。それに、間違ってたらごめんなさい、でも、シウネーさんの顔、食べたい顔ですし」
「あ、あら……」
ほほ笑んでイチゴを差し出すサチの言葉に、恥ずかしそうに紅潮した頬を抑えつつ、けれども拒むことはせずにシウネーはやはり大粒のそれに手を伸ばす。小さく口を開けて上品な動作でパクリとそれを食むと、たちまち頬をバラ色に染めて微笑んだ。

「んん〜〜♪」
周囲に花を振りまきそうな笑顔でやはりくねくねする当たり、ホントに食べたかったらしい。そんな感じでなごみつつ、一行は採集を始めた。

────

「うーん、これは?」
「あ、これは良い奴だよ!」
「成程ね……見た目の見分け方、何となく分かってきた」
「しーちゃんコツつかむの早いねぇ……」
「まぁね」
掴んだかぼちゃを見てドヤ顔で言うシノンに、サチが微笑む。

「現実でも結構最近は料理してるから、食材に目が利かないとね」
「え?そうなの?」
「ふふ、今度料理作ってあげる、お姉ちゃん程上手じゃないけど」
「ホント!?あ、じゃぁ私も作るよ!一緒にリョウに食べてもらおう?」
「それだと比べられそうで怖いなぁ……」
苦笑しながらそんなことを言うシノンは、肩をすくめてそんなことを言う。そんな様子に「大丈夫だよ〜」と返しながら、サチは漏らすようにニコニコとしていう。

「しーちゃんは良いお嫁さんになるね」
「お姉ちゃんにはかなわないよ。っていうか、お嫁さんって……」
私そんなの考えたことも無いんだけど。と笑って、シノンは採集を再開する。

「(お嫁さん、旦那さん……か)」
ふと考えて、シノンはサチに見えない位置で自嘲気味に笑った。色々あったが、一度は人を殺している自分だ。自分を相手に選ぶような人間にはそれを話さねばならないだろうが……

「(それでも結婚してくれる人なんて、居るのかな……)」
正直なところ、これまでの人生経験からして、そんな人間がいるとはシノンには容易には思えなかった。勿論今自分達を受け入れてくれた人たちの事を忘れたわけではないが、それでも多くの人間は、見知った人間であれそうで無かれ、相手が「人を殺している」と聞けば、大概恐れるか引くものだ。しかも、詩乃自身まだ色々な理由から男性に対して苦手意識が無いわけでない。
そういった要素を考えた上で、自分を伴侶にするほど受け入れてくれる男性等……

「(……やめよ)」
考えても仕方がない。この先何度かぶつかる問題ではあるだろうが……考える機会はこの先何度でもあるだろう。今考えるような事ではない。

「(……そう言えば)」
男性と言えば、「彼」は今どうしているだろうか……今は少年鑑別所に居るはずだ。鑑別所にしても、その後彼が行くであろう収容施設にして
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