MR編
百四十三話 収穫の丘にて
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「みなさん!BBQが、食べたいかー!!」
「「「「「おぉーーーー!!!」」」」」
「お肉が、食べたいかー!!」
「「「「「「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」」
高く可愛らしいハスキーボイスに続いて響き渡る野郎どもの蛮声に、アスナと隣にいるサチは苦笑した。
「みんな張り切ってるねぇ」
「お肉好きだもんね、特に男の子」
「ノリもいるんだよねぇ……」
男性たちに交じってマジ顔で右の拳を振り上げているスプリガンの女性を見ながら、アスナは苦笑する。さらに、男性たちの前で高めの切り株に上って頭に水色の仔竜を乗せたケットシーの少女を見た。
「ところで、なんでシリカちゃんが仕切り?」
「あはは……あの子結構食いしん坊なところあるから……」
────
京子との話し合いから二日の後、今日の森の家の前には、スリーピングナイツと、いつものキリトの仲間たちが集まっていた。理由は簡単、明日のバーベキュー大会に向けて食材を調達しようという話になったのである。
本来ならばその手の食材やで材料を買えば済む話何故にこんな話になっているかといえば、単純に今回、要求される食材の量が桁違いに多いからだ。何しろ、アスナの計らいもあって少しでもユウキたちの存在をこの世界の多くに知ってもらおうと呼びかけた結果、此処に集まっているメンバーに加えて、サクヤやユージーン、アリシャをはじめとする知り合いの領主連中とその側近や、レコンなども併せて、30人以上の大所帯での大パーティとなってしまったのだ。これは流石に普通に買うのでは間に合わないと判断した料理人達(主にアスナとサチ、時々エギル)の発案で、まずは前日に大採取パーティを組み、この際フィールドでしか取れない味の良い肉や果物、野菜を大量に入手しようという話になったのである。
編成は各自の適正やハングリー精神を考慮し、料理人たちが決めた。結果、肉調達チームは5人2パーティ10人という大人数でとあるフィールドダンジョンで大狩大会を、それ以外のメンバー8人は、とあるエリアを巡り、野菜やデザートとなる果物を入手しにいくことになったわけである。
「……うんっ」
出発前、各パーティのメンバーがそれぞれの目的地と戦術を確認する中、アスナ一人ふんすと息を整えると、野菜パーティ離れて肉パーティの一角へと向かった。
「あの、リョウ……」
「ん?アスナか、なんか用か」
声を駆けた相手は、数日たっても未だにぎくしゃくした関係が続いているリョウだ。今日も気のせいかどこかつっけどんに返す彼に、アスナはなんと続けたものかを少し悩む。いきなり本題を切りこむか?それとも少し様子見で自分と彼の間の空気をなごませるところからにするか……少しだけ悩んだ末……
「今日の狩りだけど、肉調達が一番の要だから。し
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