アブソーブディシジョン
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…まぁ、地上の方はレヴィちゃんやゼスト隊の尽力で辛うじて何とかなったらしいし、本局の方はユーノ君やクロノ君達の助力もあって追い返す事は出来た。それでも被害は甚大で、地上と本局の武装局員と高官、雇ってたアウターヘブン社の人も合わせて83人の命が無念にも失われてしもうた」
「そっか……さっき言った“裏”も含めると149人も死んだのか。150人目にはなりたくないね」
「おかげで地上は知らんけど本局は今、盛大な混乱の真っ只中や。一方で私らは“裏”の違法行為の情報や証拠などを、現場に残されたままだった連中のデバイスや端末から得て、プログラムの弱点がジャミングだという事を掴んでからここに来たっちゅう訳や。だけどなぁ、連中がこんな形で死ぬんやなくて、ちゃんと法で裁けなかったのが一局員としても人間としても悔しいな」
「管理局の法で裁けるか疑問はあるけど、殺されたのは自業自得って思っとこう。しかしスカルズに“裏”やいずれ邪魔になりそうな者を始末させるとか、スカルフェイスの計画もいよいよ佳境に入ったらしい」
「スカルフェイス? 誰や、そいつ……?」
「八神はそこまでたどり着いてなかったか。……後で話してやるから、今はこの事件の中核とでも思っとけ」
「中核……つまり元凶かいな、マキナちゃんはそいつを追ってるんやね。ともあれ衝突した派閥の片方、それもスカルズを率いる勢力がまだ残ってる訳やから、気が重くなるけど今後“裏”の妨害は更に陰湿になるんやろうな」
「いや、どうだろ? あのスカルフェイスが用済みと判断したんだ、計画の障害を限りなく減らすために、彼に関わった人間は全て片付けられたと見ていい。つまり英雄派と暗殺派……衝突した勢力は両方潰されたから、完全に“裏”が無くなりはしてないだろうが、当分は気にせず放置しても構わないだろう」
「え、マジか? そのスカルフェイスって男、そこまで徹底しとるんか?」
「ああ、彼と直接対面した事があるからこそ、私はこの考えが間違ってないと断言できる。それに暗殺の対象から奇跡的に免れた連中も、スカルフェイスの粛清を受けないように安全な巣穴に引きこもってガクガク震えてるに違いない。今の連中にこっちの事を気にする余裕は残ってないさ」
「さよか。……敵のせいでってのが癪やけど、これからは思う存分動いても大丈夫っちゅうことやな」
マキナとはやてが短い間に意見と情報と推論を交わし、出した結論はこの上なく真実だった。そんな二人の前では、スカルフェイスの裏切りを初めて知ったライマーが苦々しい表情を浮かべていた。
「あの男が裏切るとは……我々もヒトの報復心というものを侮っていたか」
「一つ修正すると、スカルフェイスはヴァランシアを裏切ったんじゃなくて、最初から利用対象に過ぎなかった。彼は灰から
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