アブソーブディシジョン
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程度同じ思想を持っていても、根本が違う者同士が常日頃接触していれば、そりゃあ不満が生じるのは当然や。で、ごく最近何らかのきっかけがあったのか、不満の塊が大爆発したらしく、その矛先を自分達に向けた。悪人に味方するもの同士で噛み合うとか、まるで地獄の犬どもみたいやね」
はやての言っている事をまとめると、管理局と管理外世界の間で生じている不満の爆弾、それとほぼ同じモノが“裏”の間でも生じていた。そしてそれが何者か―――恐らくスカルフェイスが煽った事によって先んじて爆発し、結果、“裏”同士が衝突して自滅する事になった。散々非道な行為をしてきた連中とはいえ、人間の手によってイモータルの計画が妨害される形になったのを、はやては“皮肉な話”だと言って揶揄した訳だ。
ここにアウターヘブン側の情報も加えれば、激突したのは英雄派と暗殺派ではないか、という考えも浮かぶのだが、今すぐ伝えなければならない訳でもない、とマキナは思った。
「ヴァランシアがどの勢力に加担してたのかは知らんが、いくら高い権力や技術とかを保有してようが、信用できない人間を味方にしたのが間違いなんや。ほら、ナポレオンも言っとったやろ? “真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である”と。まぁ私らとしては、勝手に自滅した連中から絶対兵士プログラムなどの情報を手に入れられて万々歳……って訳でもあらへんけど、とにかく調査が進展できたんよ」
「なんか話を聞くと、ただ漁夫の利なだけの気がしてくるなぁ。……ところで八神、ちょっと訊きたいんだが、“裏”の関係者はどれだけ見つけた?」
「66人。その全員が管理局の中佐以上の高官ばかりだったせいで、カリムやクロノ君達があまりの事態の大きさで、頭と腹を痛そうに抱えとったで」
「あぁ〜何となく想像はできる。彼らぐらい責任感が強ければ、そりゃあストレスで体調も崩すね。じゃあ次の質問、というか確認なんだが……そのうち何人が死んだ?」
瞬間、場の空気が凍ったように冷たくなる。マキナの質問を聞いたはやてとリインは、無言で唇をかみしめた。
「なんかさ、八神が今言った内容はどうも後半が推測だらけというか、捕まえた連中の証言とかが無かったから、もしやと思ったんだが……やはりトカゲの尻尾切りの如く口封じされてたようだね」
「勘の良いマキナちゃんなら当然気付くか……せや、66人がたった一夜で皆殺しにされとった。遺体や現場の様子から見るに、十中八九スカルズの手によるものやった」
「あぁ、奴らなら大人数を暗殺するぐらいお手の物だな」
「しかもついでと言わんばかりに、連中……私らやまともな部類の高官まで襲撃してきよった。地上のレジアス中将、本局のミゼットさん達三提督、そんなビッグネーム相手でもお構いなしにな。全くもって迷惑極まりないで。…
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