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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十二話 お客様をお迎えする準備にかかります。
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」
ロイエンタールがグラスを軽く揺らしながら言ったが、その眼は試すようにメックリンガーを見つめていた。
「ロイエンタール提督が御所望でしたら、一度小官と一緒に伺われますかな。」
「いや、やめておこう。自由惑星同盟とやらに旅立つ日も近い。あわただしいさ中に赴いては興を欠くこともある。またの機会にしていただこうか。」
承知しました、とうなずいたメックリンガーにうなずきを返したロイエンタールはグラスを置いて立ちあがった。
「ほう、卿にしては珍しいな。」
ミッターマイヤーが僚友を見上げながら言う。
「出立前までに麾下の艦隊を残留組に委ねる手続きを終わらせねばならんのでな、これで失礼する。」
ロイエンタールは僚友たちに軽く頭を下げると、海鷲のサロンを出ていった。ティアナはちょっと身じろぎしていたが、
「フィオ、ごめん。私も野暮用があるから、これで失礼するわ。」
その様子があまりにもあからさまだったので、諸提督は笑いをこらえるのに必死だったが、何か言おうとしたビッテンフェルトの足を踏んづけるだけの理性は持っていた。
「ごめんなさい、それではまた。」
ティアナはすばやく席を立ってゼーアドラーのサロンを早足に出ていった。
「ロイエンタールも食えぬ奴だ。」
ビッテンフェルトが放った一言には羨望の思いがたっぷりと詰め込まれていた。
そして、出立当日の日――。
まだ払暁の時ながら、多くの人々が軍港に詰めかけ、全権使節一行の出立を見送った。既にブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯爵はそれぞれの旗艦に搭乗しており、ブリュンヒルトもまたその白銀の流麗な艦体をオーディン軍港に係留させ、お披露目を行っていた。
「今回の交渉の成否は問わないことにしましょう。とにかく生きてラインハルトとキルヒアイスを無事生還させること。これが私たちに課せられた義務よ。」
イルーナは、二人に再度念を押していた。
「はい。」
フィオーナは静かに、だが明るくうなずいていた。
「ティアナ。」
イルーナはティアナに視線を向ける。
「例の件、くれぐれも注意してちょうだい。」
「わかっています。既に『対ラインハルト包囲網』の中から十数人がこの使節に乗り込んでいることは把握済みです。監視の目は怠りません。私たちもいつまでも学生じゃないですよ。」
最後の言葉は笑顔交じりに放たれた。フッ、とイルーナはかすかに相好を崩した。
「そうね、あなたたちもいつまでも私の下にいるものだと錯覚してしまうけれど、そのようなことはなかったのだわ、前世から。とにかく二人とも、気を付けて、いってらっしゃい。私もすぐ後から行くから。」
イルーナのヴァルキュリアもまた第一陣のすぐ後から100隻の護衛艦隊を率いて出立することとなっていた。
『はい!』
しっかりとうなずいた二人
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