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第五十二話 お客様をお迎えする準備にかかります。
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まうからな。ほどほどが良いのだ。」
「さようで。」
「だがボルテック。わかっているな?フェザーンの情報網をハイネセンに強化して張り巡らせよ。さらに帝国の首都星オーディンにもだ。和平交渉の過程を逐一こちらが聞き取るのだ。あたかも会議に列席しているかのごとくな。」
「承知しております。既に手配をしております故。」
「うむ。」
ルビンスキーがうなずくと、ボルテックは一礼して引き下がった。

 ところがである、ルビンスキーはすぐにこの方針を修正させられることとなった。なんと双方から打診があり、ほかならぬルビンスキー自身が調停役として惑星イオン・ファゼガスに赴くことになったからである。惑星イオン・ファゼガスはアルレスハイム星系に近い都市惑星で、首都星ハイネセンと同じくらいの規模の大都市があることで知られ「自由惑星同盟の副都心」とも言われている。その言葉が嘘ではない証拠に、ハイネセンにあるのと同じアルテミスの首飾りがイオン・ファゼガスにも存在しているのである。首都星ハイネセンに至る航路については軍事的に内密にしたい同盟側としてはイゼルローン回廊に近いこの惑星での交渉が最も良い場所であると結論付けたのだった。




ハイネセン・ポリス――。
 紆余曲折はあったが、軍部の参考意見を取り入れたうえで、同盟政府が下した決断は、使節の受け入れを表明すること、だった。「交渉の是非は使節に会ってからだ。」というものだ。そこで交渉を行うか、行わずに使節を帰らせるか、はたまた交渉によっては、永久和平もあるか、断行か、それとも一時的な期限付き和平か、屈服か、様々な選択肢があるが、ともかくそれは使節がイオン・ファゼガス・ポリスに到来してからということになった。
 一部の者は「ていのいい結論の先送りだ。」などと言ったが、同盟政府が帝国からの使節を受け入れたというその一点だけでも「大いなる決断だ。」と賛同する声が多かったのは事実である。一つにはラザール・ロボス大将の名前で発表された「現時点での同盟軍の実情」なるものが市民たちの安眠怠惰の眠りをぶち壊してしまったことも要因としてあるかもしれない。1年に三度の侵攻と大敗により、これ以上の連続的かつ積極的な戦争継続は不可能であり、一時的なりとも和平を結ぶことは必要不可欠であると述べられていたからである。(無論帝国側が進撃して来れば同盟の総力を上げた迎撃作戦は準備してあるという事を同時宣伝することは忘れなかったのだ。)主戦派は当然激怒したが、ブラッドレー大将が根回しをして黙らせた。


 他方、帝国は自由惑星同盟からの使節受け入れ受諾を正式に受け、かねてからの手筈通り、ブラウンシュヴァイク公を団長に、リッテンハイム侯を副団長とする和平交渉使節を自由惑星同盟に派遣することを決定した。
 この二人を補佐する随行メンバーと
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