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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十二話 お客様をお迎えする準備にかかります。
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きていません。先年バウムガルデン公爵家の財産、そしてバーベッヒ侯爵の財産を没収しその総額は何十兆帝国マルクになると言われています。それだけの金が国庫に流れ込んでいるのですから、無茶な使い方をしない限りは財政難になるわけがないでしょう。ま、以上の事から帝国の現状は私が予知しない突拍子もない事情がない限りは、和平交渉にやってくることはないと思うわけです。」
『というと、お前さんのいう突拍子もないことが帝国に起こったわけだ。』
まさかヤンもキャゼルヌも「対ラインハルト包囲網」のとばっちりを受けて、ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯が使節に選ばれたのだとは知る由もなかった。
「そうなりますね。あるいは和平交渉とは表向きの事で、何か裏に事情があって自由惑星同盟に使節を派遣する必要性に迫られたという見方もできます。」
『可能性は無限にあるわけだな。』
「そういうことです。だからあれこれ憶測を言っていないで、まずは会ってみるべきでしょうね、その使節とやらに。誰だかわかっているんですか?」
『それが聞きたかったら統合作戦本部に来い。そこでシトレ大将閣下からご説明がある。待っているぞ。』
通信は切れた。ヤンは再びチェス盤の上に視線を戻した。
「どうされるんですか?准将。」
「ん?そうだなぁ・・・。ここで、この手を使うか。」
ヤンは手近のボーンを進ませながらつぶやく。
「違いますよ、キャゼルヌ少将の事です。」
「あぁ、そのことか、私も一応同盟の軍人だからね、出頭命令には従うさ。それに、私自身も帝国のどんなお偉方がやってくるのか、興味がある。」
「良かった!どんな人かわかったら、僕にも教えてくれますか?」
「知った方が後悔することもあるぞ、ユリアン。」
ヤンは言った。よく「あの時やっておけばよかった。」という悔恨、「やらなかった後悔よりもやって後悔したほうがいい。」などという言葉があるが、ヤンはどちらもどちらだと思った。後悔などというのはやるやらないにかかわらず、取り返しのつかないことを言うものだと思っているからだ。
「それは知ってみなくては分らないでしょう?はい、チェックメイト。」
「んっ!?あれぇ???」
ヤンは頭を掻いた。エル・ファシルの英雄にも苦手とするものがあることは転生者や近しい人を除いては、マスコミや一般人にはあまり知られていないのだった。


ハイネセン・ポリス 統合作戦本部 情報部戦略情報第一課――。
■ シャロン・イーリス少将
外務省から正式に帝国の使者が来ることが通達された。どういう目的化は分らないけれど、千載一遇の好機とはこのことよ。別にラインハルトやイルーナのことではないわ。随員として来たら来たでそれはいいと思うけれど。私がいう「好機」とはこれで帝国の内情をじかに触れる機会が巡ってくるということなの。

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