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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十二話 お客様をお迎えする準備にかかります。
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であって機械じゃない。機械だって時にはメンテナンスが必要だ。それに比べて欠点だらけの人間が、早々何十時間も連続で働けるはずないじゃないか。いざとなった時にフル稼働できるように、オーバーホールは必要以上にしておきたいのさ。」
『そりゃ詭弁だな。』
突如TV電話が点灯し、キャゼルヌ少将が苦笑交じりにヤンを見ている。
『ようヤン。こんなところでユリアン相手にお前さんの人生観の教授をしているのか?』
「雑談ですよ。」
ヤンは胡坐をかいた姿勢をTVに向けた。
「キャゼルヌ先輩がいらっしゃったということは、またぞろ何か出頭の命令ですか?」
アレックス・キャゼルヌ少将は統合作戦本部傘下の後方勤務本部補給戦略部の部長を務めている。大規模会戦の戦略補給立案を行う補給部門の花形部署であり、後方勤務本部の実質上のbRの地位だ。(本部長、本部次長、そして補給戦略部部長の順である。)このbRのゆえんは、各セクションに対する調整役を行うこともあるが、何よりも宇宙艦隊司令長官と大規模作戦立案の際に補給部門の実質上責任者として打ち合わせをじきじきにおこなえる立場にあることである。
シトレ自身、キャゼルヌとはよく面識があったから、ヤンと面識があるキャゼルヌを、ときたまメッセンジャーに据えることがあった。
『例の帝国からの和平交渉の件だ。シトレ大将閣下がお前さんの意見を聞きたいとおっしゃっている。お前さんも充分オーバーホールが済んだろう。そろそろ幕僚として給料分の仕事を果たせ。』
ヤンは頭を掻き、ユリアンはくすっと笑った。
「先輩はどう思いますか?今回の事を。」
『おいおい、それこそ俺が聞きたいくらいだ。俺は目の前の実務の事で手いっぱいでな、お前さんのように全体を見渡せる長い望遠鏡を持っているわけでもないし、歴史研究から何かヒントをもらえるような知識もない。』
「ふう〜〜・・・。」
ヤンはやれやれと言うようにと息を吐いた。
『で、どうだ?帝国軍は本気で自由惑星同盟と和平交渉をしに来ると思うか?』
「常識的に考えて、突拍子もないですね。普通はありえないと思うでしょう。」
『その理由は?』
「一つ、体勢の変化がない事です。現皇帝が死んだという噂も、閣僚が新しくなったという噂も、そして体制が変わったという噂もないからです。そんなときに和平交渉という大胆な発案をできることこそが不自然。二つ、我々はここのところ負けっぱなしです。ヴァンフリート星域会戦、第二次アルレスハイム星域会戦、そして第三次ティアマト会戦において数万の艦艇と数百万の将兵を失っています。戦力的に帝国が優位にもかかわらず、和平交渉に乗り出す必要性はないでしょう。三つ、我々は軍拡、改革、そして要塞建設に多額の資金を投じており、財政難に陥っています。他方、帝国についてはこれといった財政破たんのうわさも流れて
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