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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十七話 日常で感じること
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んか見られてるなと思う事がある。
先ほどの少女もそれがたまたま働いた……と思えば早いのだけど。
(なんとなくって反応じゃなかったよな……)
そう、俺が驚いてしまったのは彼女がちゃんと俺の視線に気づいたことにあるんだ。
今言った、たまに他者の視線に気づくことだけど、あれはなんとなくその気がするって言う反応が普通だ。
なんか見られてる気がする。
なぜかそんな気がする。
その程度の感覚で振り向いて、なんとなくの感覚を追って周囲を見渡すものだ。
だけど彼女は真っ先に俺の方を振り向いた。
その視線に疑いを抱かず、すぐに俺を見た。
なぜなのか。
(別に魔力がある雰囲気もないけどな……)
というか魔力の欠片一つも感じられない、この世界の人の姿そのものだ。
ただ一つ、俺の視線に気づいた瞬間だけ彼女の気配が変わったような気がして――――。
「黒鐘、体操着に着替えないの?」
「え……?」
目の前できょとんとした表情で雪鳴が見つめていた。
どうやら考え事をしているうちに教室まで到着していたらしい。
柚那とも別れていたけど、いつのことかさっぱり覚えてない。
……考えすぎたか。
「そうだな。 さっさと着替えるよ」
「私も更衣室へ行ってくる」
「ああ。 後でな」
「ん」
綺麗に折りたたまれた体操着とそれを入れるための袋を持って雪鳴は教室を出る。
それに続いて教室にいた女子生徒が続々と教室を出て行く。
残った男子は雑談をしながら体操着へ着替えていく。
俺も考えていたことは保留にし、この世界の日常に溶け込むことにした。
*****
朝のホームルームが終わり、早速俺たちは校庭へ移動した。
学年ごとに決まった場所で身体測定を行っていき、一定の時間になったら学年ごと前の学年が測定していた場所で別の測定を行うという流れになっている。
保健室では身長や体重、座高などの測定。
体育館では長座体前屈や上体起こしなど、筋力や柔軟性の測定。
そして校庭ではシャトルランや50m走にソフトボール投げなど、身体能力の測定。
身体測定と体力テストの両方が重なっているのが今回の測定らしい。
俺たち四年生は三年生と共に校庭に集まり、担当の教師から受ける順番や手順を説明されて解散となった。
「さて、それじゃ最初は……」
邪魔にならないよう木陰に背中を預けて周囲を見渡し、観察する。
この世界での身体測定が初めての俺は、とにかくこの世界の『平均』を知ることに専念した方がいい。
足の速い人、遅い人の動きや速度を見極めて記憶する。
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