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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十七話 日常で感じること
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てきた。
きっとアタシがため息を吐いたことが原因だろう。
アタシがため息を漏らした原因は二つ。
今日の身体測定のことと、黒鐘先輩とのこと。
身体測定のことは今考えがまとまったからいい。
けど、黒鐘先輩のことは……まだまとまらない。
「うん、大丈夫。 そろそろ行こ?」
「……分かった」
アタシはお姉ちゃんを心配させまいと笑みを見せて、玄関に向かった。
大丈夫、と言うと嘘になるけど、大丈夫じゃないと言うのも少し違う気がする。
黒鐘先輩のことは色々あったけど嫌いじゃないってことが分かって、問題も解決して、仲直りできた。
このあとも通学路の途中で合流して、一緒に学校へ向かうことになってる。
一緒にいる時間を不快に思うことも、居づらいと思うこともない。
だから問題なんてない……はずだった。
だけど、アタシは色んな問題を解決させる中で、彼に対するアタシの感情と想いに気づいてしまった。
今に至るまでの怒りや憎しみが、本当は彼に対する好意を隠すためのものだったって気づいてしまって、そして怒りや憎しみを失った私にはこの『好意』を隠すための感情が存在しなくて――――。
「柚那、顔が赤い」
「へ!?」
「風邪?」
「ち、ちちち、違うよ! そんなじゃないから!」
「無理は禁物」
「ほんと、ほんとに大丈夫だから!!」
通学路を歩いている途中、アタシはお姉ちゃんに顔を覗かれ、あまりの恥ずかしさに走り出してしまった。
顔が赤くなっている理由はわかってる。
黒鐘先輩のことを想うと、どうしても顔が……ううん、全身が熱くなる。
この気持ちの正体に気づいてから、アタシは黒鐘先輩との接し方がわからなくなって……それで選んだのが、先輩後輩の位置だった。
どうしてそれなのかって聞かれても、私自身よく分かってない。
だけど、何かしらはっきりとした立ち位置が欲しくて、考えた末がそんなものだった。
幼馴染で、今は先輩後輩の立場になったアタシと彼……そんな感じ。
(逃げてる、よね……)
それが逃げてるってことくらいわかってるから、余計にため息が漏れてしまう。
この想いを伝えるための努力をすればいいのに、なんて思うこともある。
だけどアタシは怖かった。
また、なにかの拍子でこの関係が壊れてしまうことが。
今回のことで思い知らされてしまった。
「柚那、おはよう」
「は、はい……おはよう、ございます……はぁ」
「なんで息切れてるんだ?」
「た、たまには走ろうかなって思いまして……」
「柚那、置いていくなんて酷い」
「ご、ごめん……
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