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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十七話 日常で感じること
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か。
今の俺にはわからないその関係性に、相変わらず俺は憧れに似た感情を抱いて、そしてまた微笑む。
《もう……あ、お兄ちゃ……黒鐘先輩?》
「お、おう。 柚那、おはよう」
《おはようございます。 お姉ちゃんの言ってたことですけど、忘れてくれませんか?》
雪鳴とは違う、どこか他人行儀な応対の柚那に俺は少し言い淀みながらも応対する。
あの日……俺と雪鳴と柚那の間にあった蟠りを解消してからと言うもの、柚那は俺のことを先輩と呼ぶようになった。
お兄ちゃんと呼んでくれたのはあの日が最後で、それから今日までずっと黒鐘先輩と呼ばれている。
それもそれで彼女なりに近づいてくれてる呼び方らしいし、雪鳴曰く「年頃だからお兄ちゃんは恥ずかしいんだと思う」とのこと。
幼い頃の呼び名を続けているのは恥ずかしいと思う感情は理解できる。
俺も父さんや母さんをパパやママと呼ぶのは、幼い頃はできたけど今は恥ずかしいから、きっとそういうことなのだろう。
そう思って理解したつもりなのだけど、不思議なことに柚那に先輩と呼ばれるのがまだ慣れていない。
《……先輩?》
「え、あ、ああごめんごめん。 分かった、忘れるようにしとくよ」
《お願いしますね》
「わかったよ。 それじゃまた通学路で」
《はい、失礼します》
そうして通信を切った俺はどこか疲れたようにため息を漏らし、必要なものを揃えて家を出るのだった。
*****
「……はぁ」
受話器を下の位置に戻したアタシは、どこか疲れたようにため息を漏らして玄関に向かった。
教科書や文房具が入った鞄を肩から腰にかけ、更に右手に体操服が入った巾着袋を持つ。
今日は人生で二回目の身体測定。
去年は本番直前になってアタシやお姉ちゃんの身体能力がこの世界の人とは違うことに気づいて、ギリギリで周囲に合わせようと努力した。
結局、それは成功だったような失敗だったような、曖昧な結果になって私は後悔してる。
お姉ちゃんがお兄ちゃ……黒鐘先輩に言ってた通り、アタシは力を抑えて挑んだにも関わらず学園最高記録を出してしまった。
それがきっかけで運動系全ての部活から入部のお誘いが来て、更にはアタシのファンだと言う人達からのラブレターも沢山届くようになった。
たった一度の身体測定でアタシの学校生活は激変したと思う。
一年が経過して、アタシに対するラブレターや部活の勧誘は減ったけれど、今日の身体測定がきっかけで再び増える可能性もある。
だから今年は去年より抑え目でいこうと強く決めている。
「柚那、大丈夫?」
そんなアタシにお姉ちゃんが心配そうな表情で私を見つめ
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