暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十七話 日常で感じること
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さい」

「いや、謝らなくていいから。 ホント、全然気にしてないからさ……な?」

「……はい」

「ふん!」

「にゃはは……」

「はぁ……」

 バニングスの態度に月村も高町も、苦笑なりため息なりを見せていた。

 しかし険悪な雰囲気もないところを見ると、やはり三人は仲良しなのだろう。

 本当に仲が悪いなら、ここの空気はもっと沈んでいたはずだから。

 むしろ俺を置いて三人による会話が始まった。

 月村の言葉にバニングスが反発し、高町が苦笑しながら仲裁に入る。

 俺への態度が悪いんだって怒ってるようだけど、バニングスは反省してないな……。

 風船のように膨らむ会話、連携が取れたかのような流れる会話に弾かれた俺は、気配を押し殺しながら三人の光景を眺めていた。

(ああ、いいな……こう言う光景)

 不意に俺は、三人の光景に憧れに似た感情を覚えて、そして感じた。

 ガラスの向こう側だ。

 見えてるし、音もちゃんと聞こえてる。

 だけど、触れないし踏み込めない。

 俺が入り込む隙間もない領域で盛り上がる三人の会話を無言で見つめ続けた。

 普通の、当たり前の日常の光景が……そこには広がっていて、俺もあんなふうになりたいなって、心の底から思ったんだ。

 そんな感情を抱きながら、身体測定は終了していった。
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