暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十七話 日常で感じること
[2/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 もちろん基礎的な面は同じだし、人並みにお腹は空くし人並みに眠くなる。

 ただ運動能力や知識や精神面での違いは大きいだろう。

 今日の身体測定には走ったり跳んだり投げたりと、身体を動かすことも多い。

 その中で俺たちの『いつも通り』は、この世界の人にとっての『普通』とはかけ離れた結果になっててしまうだろう。

 それこそ大人の平均記録を超えるだとか、世界記録を更新してしまうだとかが平気で起こってしまうような……そんな結果になる。

《去年、私は怪我をしてたから問題なかった。 けど、柚那は困ったことになった》

「……柚那になんかあったのか?」

 雪鳴の妹、柚那もまた去年から雪鳴と共に地球で暮らしている一人だ。

 去年の身体測定を経験したのだろう。

 そこで何があったのか、俺は不安になってしまう。

 もし何も知らずにやってしまい、記録を出しすぎてしまったら……?

 相手と距離を置かれたりでもしたのだろうか、なんて不安が脳裏をよぎる。

《記録が良すぎて学校にある全部の運動部からスカウトされてた》

「……」

 思わずズッコケてしまう所だった。

 拍子抜け……というのは柚那に失礼だろうけど、俺の想像してたことよりは斜め下な内容に安堵する。

 どうやら俺たちの通う学校は、案外適応能力が高いらしい。

 そして柚那も柚那でコントロールはしようとしたけど、それですら学校のレベルで言えば高すぎたのだろう。

《そのおかげで男女からモテモテ。 ラブレターも男女同じ割合で届くようになった》

「はははっ……なんか想像がつくな」

 そして返事に困って唸る柚那の表情もまた想像が付いて、つい頬が緩んでしまう。

 責任感の強い柚那のことだ。

 きっと一枚一枚に対して丁寧な返事をしたことだろう。

 そう思っていると雪鳴の後ろ辺りから大きな声が聴こえ、段々近づいてきた。

《お、お姉ちゃん!! そんなことまで言わなくていいでしょ!?》

《柚那、洗い物お疲れ様》

《うん、ありがとう。 はいこれお弁当……じゃないよ! さらっと話しを逸らさないでよ!?》

《失敗》

《そんなことより、なんでラブレターのこと話しちゃうの!?》

《妹自慢》

《アタシすごく恥ずかしいんだけど!》

《そんな柚那も可愛い》

《嬉しくなーい!!》

「……ホントに仲がいいな」

 スピーカー越しに聴こえてくる二人の会話は、聴いていてなぜだか微笑ましいと思えてしまう。

 柚那が怒ってて、雪鳴は反省した様子がないって光景のはずなのに、そこには二人の仲の良さが伝わって来る。

 怒りや笑顔の裏にある、お互いの信頼がそう思わせるのだろう
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ