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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十七話 日常で感じること
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もちろん基礎的な面は同じだし、人並みにお腹は空くし人並みに眠くなる。
ただ運動能力や知識や精神面での違いは大きいだろう。
今日の身体測定には走ったり跳んだり投げたりと、身体を動かすことも多い。
その中で俺たちの『いつも通り』は、この世界の人にとっての『普通』とはかけ離れた結果になっててしまうだろう。
それこそ大人の平均記録を超えるだとか、世界記録を更新してしまうだとかが平気で起こってしまうような……そんな結果になる。
《去年、私は怪我をしてたから問題なかった。 けど、柚那は困ったことになった》
「……柚那になんかあったのか?」
雪鳴の妹、柚那もまた去年から雪鳴と共に地球で暮らしている一人だ。
去年の身体測定を経験したのだろう。
そこで何があったのか、俺は不安になってしまう。
もし何も知らずにやってしまい、記録を出しすぎてしまったら……?
相手と距離を置かれたりでもしたのだろうか、なんて不安が脳裏をよぎる。
《記録が良すぎて学校にある全部の運動部からスカウトされてた》
「……」
思わずズッコケてしまう所だった。
拍子抜け……というのは柚那に失礼だろうけど、俺の想像してたことよりは斜め下な内容に安堵する。
どうやら俺たちの通う学校は、案外適応能力が高いらしい。
そして柚那も柚那でコントロールはしようとしたけど、それですら学校のレベルで言えば高すぎたのだろう。
《そのおかげで男女からモテモテ。 ラブレターも男女同じ割合で届くようになった》
「はははっ……なんか想像がつくな」
そして返事に困って唸る柚那の表情もまた想像が付いて、つい頬が緩んでしまう。
責任感の強い柚那のことだ。
きっと一枚一枚に対して丁寧な返事をしたことだろう。
そう思っていると雪鳴の後ろ辺りから大きな声が聴こえ、段々近づいてきた。
《お、お姉ちゃん!! そんなことまで言わなくていいでしょ!?》
《柚那、洗い物お疲れ様》
《うん、ありがとう。 はいこれお弁当……じゃないよ! さらっと話しを逸らさないでよ!?》
《失敗》
《そんなことより、なんでラブレターのこと話しちゃうの!?》
《妹自慢》
《アタシすごく恥ずかしいんだけど!》
《そんな柚那も可愛い》
《嬉しくなーい!!》
「……ホントに仲がいいな」
スピーカー越しに聴こえてくる二人の会話は、聴いていてなぜだか微笑ましいと思えてしまう。
柚那が怒ってて、雪鳴は反省した様子がないって光景のはずなのに、そこには二人の仲の良さが伝わって来る。
怒りや笑顔の裏にある、お互いの信頼がそう思わせるのだろう
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