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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第48話 逆手
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を封じられているはずだ!?」
カチカチとボタンを押して行くが、既に最大値に達しているキャパシティダウンにこれ以上の変化はなかった。

「なかなか良い手だ......お前にしてはな」
木山と互いに目を合わせて笑みを交わした。
「ま、まさかレベルアッパーを逆手に......?」

サソリは、一瞬でテレスティーナからリモコンを取り上げるとキャパシティダウンのダイヤルを回し出して、出力を弱めていった。

対能力者の切り札を失ったテレスティーナは、サソリから距離を取るように離れる。
「お前の話し振りを聴いていると、殺してやりたいほど憎んでいる奴を思い出すな」

「お、おい!?何黙って見てんだ!助けろテメェ!」
もはや、女子力ゼロにまで降格した顔で上から眺めているグルグルの面をした金髪少女に助けを求めた。

「えぇー!もう打つ手が無いんすか?詰まんないっすね」
ぽっかり空いた穴から紅い眼をチラつかせながらトビフレンダは答えた。
「て、テメェ」
「良いっすよ先輩。殺っても」
興味が失せたように残酷に手を振ってサソリに合図を送った。

キャパシティダウンの封印から解かれた万華鏡写輪眼がテレスティーナを見据えた。
「あ......ああ」


「!?」
気が付けば、テレスティーナは突き出した梁の上で腕を後ろで縛られて、脚もピンと張ったまま両足が揃うように縛られていた。
首には麻のロープが掛けられて、目の前にぽっかりと底が見えない穴が口を開けていた。
背後を辛うじて向くと、赤い髪の少年がロープを手に持って立っていた。
そして、縛られたテレスティーナの背中に手を置いた。

ま、まさか......このまま突き落とすのでは
両手両足が全く自由が利かない状態で落とされてしまったら......

「ま、待ってくれ!子供達の場所を教えるから、私が悪かった!」
必死に懇願するが、サソリは吐き捨てるように言い放った。
「興味ねえな」
サソリがグッと力を込めて梁から突き落とした。
「ロープの長さに達したら、首吊りだな」
首にロープを掛けられたまま、テレスティーナは自由落下をし始めた。
「ああ.......ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

全く底が見えない井戸のような場所をいつ締まるか分からないロープと共にテレスティーナは落下していった。
芋虫のように身体をくねらせるが、ロープの長さが分からない今、首が締まるのは数分後か数秒後か分からない中で突き落とされた恐怖は、筆舌に尽くし難い。


サソリの残酷な幻術に堕とされたテレスティーナを尻目にサソリが上を見上げた。
そこには、頬杖を付いて顔を振っているグルグルの面をした金髪少女がいた。
「何者だ?貴様」
「初めまし
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