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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十一話 人選は重要です。
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てはならなくなった。そうなってしまった以上、そのストレスと怒りが身内や側近らに向けられるのは、至極当然の事であった。
「ええい!!お前もお前だ!!ロクな頭を持たぬくせに、一人前に策謀をめぐらしおってからに!!今まで散々な結果に終わっているではないか!!大方今回の事もお前がばらまいた火種が原因ではないのか!?」
それは!!!と、言おうとしたフレーゲルが固まる。確かに奇妙である。ベーネミュンデ侯爵夫人邸であのような提案をした直後に、降ってわいたかのような今回の勅命!!
(だが、盗聴器はない!絶対にない!毎日探知機でしらみつぶしに調べている!!だからそれはない!!ということは・・・まさか?!)
裏切者がいる!?とフレーゲル男爵は顔面蒼白になってしまった。それを知らずに「同志」というくくりで散々金髪の孺子とプラチナ・ブロンドの小娘を悪く言ったことが全部敵方に筒抜けになっているということだ。
「と、とにかく叔父上。叔父上とリッテンハイム侯の使者については動かしようがありませんが、まだ手はありますぞ。」
フレーゲル男爵は懸命に落ち着きを取り戻そうとしていた。
「して、その策とは!?」
「あの金髪の孺子とプラチナ・ブロンドの小娘を随員として使節団に入れるのです。交渉の全権は叔父上らにありますが、その策を講じるなりなんなりを彼奴等にやらせればよいではありませんか。失敗した時にはすべての罪を擦り付ければよいのです。」
「おお、なるほどな!」
ブラウンシュヴァイク公はどっかとソファに座り込み、呵々大笑した。今泣いたカラスがもう笑う、という奴である。
「いいだろう!だが、失敗した時は・・・ではないぞ。フレーゲルよ。どうせ自由惑星同盟などと称する反徒共は我々の降伏勧告などハナから受け付けぬであろう。」
フレーゲル男爵は意外そうな目を見開いた。彼にしてみれば銀河帝国こそが宇宙の支配者たる存在であり、その枢要にいるブラウンシュヴァイク公自らが使節となった以上、同盟など足元にひれ伏して降伏することもありうるのではないかと思ったのである。まして連戦連敗をし、戦力に枯渇している同盟の今の現状で有れば当然のことだ。
「まさか叔父上、わざと失敗し擦り付けをするというのですか?」
「そのようなことはせん。儂もブラウンシュヴァイク公だ。皇帝陛下の勅命を受けた以上は、名門貴族の名に懸けて必ずや成功させるべく努力をする。言っておくがな、フレーゲルよ。」
ブラウンシュヴァイク公はぐっと身を乗り出した。
「儂はあの金髪の孺子とプラチナ・ブロンドの小娘は嫌いだ。だがそれらを追い落とすのに自らの怠惰を手段とするのは、大貴族の矜持が許さん。まして暗殺などという卑劣な手段は、あのベーネミュンデ侯爵夫人のような女狐や下賤の輩がすることであって、大貴族の長たる儂がとるべき手段ではない。」
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