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俺の四畳半が最近安らげない件
覇王〜小さいおじさんシリーズ12
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候先の住人がDJ・マキシマムであったと」
「すげぇ翻訳始まったぞ」
「うるっせぇな卿は口を利くな!!…この怪しい動きや妙な言い回しはDJ・マキシマムの影響というわけだな」
「イェァ俺たちのリスペクト、皆を巻き込むぜテンペスト、yo俺たちのテンペストお前らを巻き込み回る回る分かるか俺たちが唯一無二のベスト」
「えっ……おいさっきから『俺たち』と云ってないか……?おい、あのさ…もしかして」
「GO!GOGO!!マキシマムルーム、めっちゃ『呉』!!我らが呉のプロップス、ほぼほぼマキシマムリスペクト!!イェァ」



「うっわぁ……」



端正が、ふっと天を仰いだ。
「天よ……なぜ、我に更なる試練を賜るか……」
お、おぅ…大変だな、端正。まさかそんなことになっているとは…。
「お?今何て云ったんだ?」
「DJマキシマムの部屋に呉の仲間たちが沢山いて、ほぼ皆がマキシマムを尊敬している、と」
「うるさい!訳すな!!」
端正が怒鳴ったかと思うとうちで一番柔らかいクッションに倒れ込んだ。そんな端正をしり目に、孫策と思しき男は尚もyoyo叫びながら変な動きを繰り返す。豪勢が少し考えたのち、壇上の孫策に話しかけた。
「孫策殿。その…マキシマムはそなたらの事を、不審には思わないのか?」
異常現象の自覚はあるのか。
「yoマキシマム常に夢の住人、不思議なクスリの果て俺たちはイリュージョン幻の俺たちとのフュージョン!」


―――わぁ…日常的に何らかのクスリをお決めになっている方か…。


…さすがに憐れに思ったのか、豪勢が端正の傍らにしゃがみ込み、ぽんと背中に手を乗せた。
「…良かったの、仲間の居場所が分かって」
「ほぼ全員、面白いことになっているようですがね」
「うるさい!聞きたくない!!」
白頭巾、お前は本当に…。
「ま、まぁマキシマムの件はさておき、だ。貴様もその…呉の連中も今や寄る辺なき身。場所が分かったのなら挨拶くらいはしてきたらどうだ」
「あんな感じになった甘寧とか丁奉を見たくはない…」



―――しゃりん。



襖の奥の方から、鈴の音が響いた。白頭巾がふと顔を上げる。
「この音は…覚えがある」
薄く開いた襖の奥に、金属質の反射光が垣間見えた。しゃりん、しゃりんと断続的に響く鈴の音に、yo!yo!という合いの手と思しき叫び声が混ざる。端正の背中が、びくっと震えたのち固まった。
「おぉ、余もこの鈴の音に覚えがあるぞ、これは鈴の甘」「云うな!!」
「くくく…はっはっはっは…追い打ち…追い打ちが来ましたな」「うるせぇな!!」「ぷっあははははぁはあはは…」
辛うじて平静を装っていた白頭巾がくの字になって頭巾落とす勢いで撃沈した。こいつは意外と笑い上戸だ。


「―――戻られ
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