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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#16
DARK BLUE MOON[ 〜Scar Faith〜
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の中で、偶然な」
 シャナとアラストール(主に後者)が協力して周辺区域の修復を行い、
戦闘で灼け破れた互いの制服も肉体のダメージも自在法で治した為、
承太郎とシャナは今( 一応) 異国の学生同士として周囲の眼には映っている。
 最も両者の疵痕は、治すというより 「埋める」 に近かった為
完治というにはほど遠いが取りあえず街並みを移動しつつ情報交換をする位には
回復出来ていた。
「それで、貴様が彼奴(きやつ)を追う “戦闘狂” の討伐役を買って出たわけか」
 その荘厳なる口調に裏打ちされた深い洞察力で、
アラストールは告げられた事実と前後の状況から
背後の因果関係を明察する。
「ンな御大層なもんじゃあねぇよ。ただの成り行きさ」
 承太郎はそう言って視線を遠くに向ける。
 何故か無性に煙草が欲しくなったが今は我慢した。
「ふむ。しかし結果的には彼奴に借りを作った形になる。
いずれ返礼をせねばならぬな」
「そーしてやれよ。大事な知り合いなんだろ」
「……」
 承太郎の言葉には応じず、代わりにアラストールは先刻の強敵、
“蹂躙の爪牙” マルコシアスと “弔詞の詠み手” マージョリー・ドーについての
詳細を彼に述べた。
「……想像以上にヤベェ連中みてぇだな。目的の為には手段を選ばねぇ。
DIOのヤローと繋がってねぇのが、せめてもの救いか……」
「だが、楽観は出来ぬと考えた方が良い。
彼の者 『幽血の統世王』 の配下には、
既に承知の通りかなりの数の紅世の徒が集結しつつある。
彼奴らにとっては正に垂涎を欠く事の無き蝟 集(いしゅう)
この先、その存在を放置するとは到底想えぬ」
「“裏切る為に” 配下に降って、その間に他の人間も襲い出す可能性があるってコトか。
肉の芽で下僕にされるにしろ、他の 『スタンド使い』 と組むにしろ、
確かにぞっとしねぇな」
「だからそうなる前に徹底的に叩き潰す!
向こう100年はもう、二度私達に楯突こうなんて想わない位完膚無きまでに!!」
 唐突に背後から、スタンドよりも近い場所であがる少女の声。
 青年が美貌を向けたその超至近距離に、シャナの可憐な風貌があった。
「ンなカッコで言っても、いまいち締まらねー台詞だがな」
「うるさいうるさいうるさい。黙って歩く」
 先刻、修復を終えて元通りになった廃ビルの屋上から立ち去ろうとした時、
少女が自分に向けた言葉はただ一言、 「疲れた」
 躰の傷が痛むのか、ならもう少し休んでいくかという自分の問いに
彼女は駄々をこねるように同様の台詞を語気を強めて何度も言い放つのみ。
 その後ワケの解らぬ数回の問答を経て、現在のような形に落ち着いた。
 己の背にシャナをおぶって、宿泊先のホテルにまで帰るというモノである。
 海岸
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