十四話:海水浴2
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「双腕・零次収束ッ!」
波乗りから帰ってきたエドモンからのトスを受けた天草が強烈なスパイクを放つ。
バレーボールは光と闇に分裂したような残像を見せながら敵陣に襲い掛かる。
しかし、敵も一筋縄でやられる程貧弱ではない。
「甘い! 熾天覆う七つの円環!!」
エドモンの帰還により人数が奇数になったために助っ人に入ったエミヤがそれをブロックする。
七つの花弁が咲き誇るかのごとき強固なブロックを見せるエミヤだったがボールは相手のコートではなく後ろに逸れてしまう。
『必殺! 回転レシーブ!』
だが、ぐだ男が回転しながら飛び込みボールを何とか拾う。
打ち上げられたボールは絶妙な角度でエミヤの頭上に上がり絶好のチャンスとなる。
すかさずエミヤは高々と舞い上がり相手を鷹の目で射貫く。
「ではな―――ボールを抱いて溺死しろ」
最高の決め顔で渾身のアタックを叩き込むエミヤ。
狙った位置はとてもではないが天草、エドモンともに届く範囲ではない。
それでも―――エドモンは不敵に笑っていた。
「理想だと? くははは……俺の中にあるものは一つ―――憎悪だ」
瞬間、エドモンの姿が青い光となり消え去る。
それだけでも信じ難いが本当の絶望はその先にあった。
『エドモンが……増えた?』
死角にあったボールを難なく拾うエドモン。
それをトスするエドモン。
どういう理屈か空中で最後の一撃を叩き込むために停止しているエドモン。
彼の力が具現化した奥の手。
「ファリア神拳奥義―――虎よ、煌々と燃え盛れッ!!」
―――それはレーザーであった。
超高速の打球は空気摩擦により膨大な熱量を生み出し一筋の青い閃光となる。
脳が筋肉に信号を送る間もなくボールは無人の地帯に突き刺さる。
その一撃にこれでどうだと言わんばかりのドヤ顔を見せるエドモン。しかしながら。
「ダブルコンタクト! エドモン君は今二回連続で触れたので反則です」
普通にルール違反である。
「なん…だと? 今のは俺の分身だ! 俺自身ではない!」
「だとしたら人数制限をオーバーするので反則ですね。というわけで失点です」
「貴様…! これだから審判は気に食わんのだ…ッ」
『いや、ルールは守ろうよ』
審判のジャンヌに毒づきながらコートに戻るエドモンに誰もがツッコミを入れる。
マリー提案のビーチバレーはこのように白熱した戦いが繰り広げられていく。
因みに、総当たり戦を行った結果マリーとジャンヌの鉄壁のペアが優勝したのであった。
「す
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