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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第63話:モブらはみんな生きている 四
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イドの職に空きが出来たけど、アンタ挑戦するの?」
「当然でしょ! 前回だって名乗りを上げたけど、ユニさんに落とされたんだもの……今回こそは合格してみせるわ! そしてマオさんみたいに、ウルフ様の愛人になるの!」

「そんな志で合格するの? また不適格者として落とされるんじゃないの」
「人格的に不適格なのは、陛下への憧れを抱いてる女でしょ。私は陛下には邪な感情ないモン。十分すぎるほどの適合者だと思うわよ」

「アンタねぇ……前任者が何でクビになったか考えなさいよ」
「解ってるわよ。ウルフ様との愛人関係で満足してれば良かった訳でしょ! 私は大満足。結婚? いいえ……愛人で結構です。王家入りを果たして、私を囲ってくださいまし!」

「お前等、大声で何て話をしてるんだ!?」
「あらウェイン。見回り兵士の貴方が、こんな所で何してるの? サボリ?」
何処からともなく現れた恋人のウェインに、軽口で対応するグレース。

「見回り兵士なんだから、真面目に仕事してれば色々な場所に現れるさ。大声で無駄話してる君に、サボってると指摘されるのは心外だな」
確かに……私達は一切仕事をしてないわ。

「私はこの()の将来の事で、一緒に悩んであげてるから良いのよ」
「理屈がイマイチ解らんが、こんな所でサボってる限り、上級メイドに合格する事はないと思うぞ」
考えないようにしてたのに……

「陛下への邪な感情の有無は、上級メイドへの資格の一つでしかない。仕事をサボるのではなく、自ら見つけに行ける()こそが、上級メイドになれる資質の持ち主だと思うよ」
「随分と解ったような事を言うじゃない」

「実はさ……陛下・ウルフ殿・ブレンダさん・ユニさん等4人が上級メイドの事で会話してるのを聞いちゃったんだ……って先輩から話を聞いた」
「何だオイ、ややこしいな……まぁいい、私らにも聞かせてみんしゃい」

「陛下が『別に上級メイドとかって要らなくね?』と言い出したらしい」
「リュカ様らしいわね。自分の事は自分で出来ると言って、あまりメイドに頼らない方ですからね」
王様っぽくないのがリュカ様なんですよね。

「だがそうなると、王家の周りで働くメイドが居なくなり、掃除とかを陛下等が行う事になるんだ。そうなると綺麗好きな陛下は、政務を無視して掃除に勤しむ可能性があり、ウルフ殿などが青筋立てて激怒する事になる」

「確か……上級メイドなる役職が確立したのも、陛下に政務以外の事をさせない為ですもんね」
「そうなんだよグレース。王家の周りで仕事するとなると、重要機密を耳にする事もあり、口が堅い事が絶対条件となる。そして陛下が政務以外の事柄に気が行かないように率先して炊事・洗濯・掃除などを熟し、尚且つ陛下に口説かれても靡かない女性であることが、
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