ハイスクールD×D 欲と罪
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
力が欲しい。そう願った。守れる力が。命以外の全てを投げ打ってでも、力を得られるのならそれでいいと。そして残ったのは、命と、守りたかった者の心の傷跡だった。投げ打ったのは、狂おしいほどまでに求めて得た全て。
周りの大人に頼んで、真実は闇に葬ることにした。あの娘たちに知らせる必要はない。オレを過去の存在にして、新しい立場と役割であの娘たちの傍に。
「ルー君、また兵藤達なんだけどお願いできる」
またあの餓鬼どもか。いい加減大人しくしろと言いたいんだがな。悪魔にもなってフェニックス家との婚約をご破算にしておいてまだ除きなんかをやってるのか。呆れながら立ち上がり、匂いが濃い方向に歩いていく。後ろにはラケットや竹刀で武装した女子生徒が続く。そして体育倉庫のドアの入り口で吠える。
「ここにいるのね、ありがとう。あんた達、覚悟はできてるんでしょうね!!」
「げえっ!?どうしてここが!!」
後ろから聞こえる喧騒を無視してお気に入りの木陰に戻る。オレと言う存在を過去にした今の俺はソーナの使い魔にしてペットの大型犬だ。本来は魔狼なのだが犬と狼を見分けられる一般人などほとんどいない。首輪もしているし、傍にいるには適している本来の姿。この姿が嫌いなわけではなかった。ただ、この姿よりも憧れた姿があった。
遠くから眺めるだけだった悪魔の家族。羨ましかった。同じ姿だったらあの中に入れたのだろうかと。無茶をやって似たような姿を得ることができた。そして、運良く彼女達の輪に入ることもできた。家族というわけではなく半使用人という形でだが、それでもよかった。色々な知識や技術を身につけれたのはおまけで、一緒に笑えるだけでよかった。
それも一つの切欠で壊れてしまった。運を全部使ってしまったかのようなありえない最悪を引き、それから生き残るために全てを投げ打って最悪の結果を少しはマシに戻した。その結果が今だ。
俺はもう、あの娘たちの傍にいる以上の幸福を求めない。だが、あの娘たちのためなら、この幸福すらも投げ打とう。それが身の程を知らぬ願いを叶えてしまった俺への罰だ。
勝手に行動している兵藤と匙を連れ戻すために匂いを追う。ある程度匂いを追った所で光力を感知する。ソーナ達に着いてくるように吠えてから全力で走る。分かりやすいように魔力のマーキングを施しながら走り、聖剣を振り回している神父の腕に喰いつき、骨を噛み砕く。
「っ、てめえ!!」
聖剣を逆の手に持ち替えて振ろうとしてくるのを感じ取り、股下を潜って足首に蹴りを放つ。体制が崩れた所で更に蹴りを当てたのとは逆の足首に噛み付いて骨を砕く。倒れ切った所で足首を放し、喉へと喰いつき、引き千切る。肉はまずいので吐き捨てておく。
そのま
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ