ハイスクールD×D 欲と罪
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ま反応がなくなるまで油断なく聖剣を持つ腕を押さえつけておく。完全に反応がなくなったのを確認してから逃げようとしている兵藤と匙に唸り声を上げる。しばらく待っているとソーナ達が追いついてきた。
「これは、ルー、あなたがやったの?」
肯定の声を上げる。弱かったぞ、こいつ。
「さて、匙。どういうことか、全て話してもらいましょうか」
うむ、勝手に行動して主人に迷惑をかけるのは問題だからな。俺も口周りに着いた血を洗い流しておこう。押さえつけている野生が起きると面倒だからな。一度は悪魔に近づいたが、俺の本質は魔狼だ。野生の本能は眠っているだけで、それを起こせばただの畜生だ。十分に気を配る必要がある。
魔術で水球を生み出し、そこに口元を突っ込んで血を落とす。口の中の血も同時に洗い、それが終われば水球を電柱の裏に捨てておく。うむ、これで野生が目覚めることはないな。
背後で兵藤と匙の悲鳴が聞こえるが無視だ無視。神父から聖剣を咥えて奪い取り、回収に訪れている二人のエクソシスト前に置いて差し出す。戸惑いながらも青い髪のエクソシストが聖剣を拾い上げて頭を撫でてきたのでそれを受け入れてからソーナの傍に戻る。
コカビエルが宣戦布告をしてきた。それはいい。予想できたことだ。だが、そのコカビエルから特徴的な匂いを感じ取ってしまった。その瞬間、俺は駆け出した。ソーナの制止を振り切り、学園に急ぐ。隠蔽用の結界をくぐり抜けた先にいたのは、コカビエルと魔獣の中でも最強クラスの魔獣。陸の王者、キングベヒーモス。あの娘達のトラウマの一つ。出くわせば、取り乱して危険だ。だから、先に排除する。
「なんだ、シトリーの飼い犬か。時間すら守れぬ、いや、飼い犬の躾すらできていないとはな」
コカビエルが何かを言っているが気にする余裕はない。時間との勝負だ。あの娘達に見られるわけにはいかない。自分の中の野生と力を叩き起こす。銀色の毛が黒に染まり、体が3周りは大きくなり、体の作りが変化し、力を欲した結果に人の姿を捨てて得た人狼の姿となる。俺の変化に一瞬驚いたキングベヒーモスの一番太い頸動脈を爪で切り裂く。
これだけで死ぬような奴ではないが、余裕はなくなっただろう。短期決戦に持ち込むには退かせるわけにはいかない。気合いを入れ直し、キングベヒーモスの突進を飛び上がって躱し、背中に飛び乗り、爪に魔力を集中させて背中に突き刺して引裂いていく。暴れるキングベヒーモスの尻尾をつかみ、振り回してコカビエルに投げ飛ばす。
キングベヒーモスの巨体に隠れるように俺は跳躍し、コカビエルが躱した方向から飛び出し、頭を噛み砕く。俺の姿を見た者は生かして帰すわけにはいかない。それにキングベヒーモスを倒すためにはドーピングが必要だ。噛み砕いたコカビエルだった血と
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