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逆さの砂時計
Side Story
少女怪盗と仮面の神父 27
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り微笑む。
 「私も劇そのものは観てないけど、話の内容に関心を持ってた時期があるの。脚本とか原作となる創作本をたくさん読み漁っててね。それはもう、親兄弟が「お前は莫迦なのか」と真顔で呆れるくらいのめり込んだわ。だから、貴女の疑問に私なりの答えをあげる。劇話の多くが崖落ちで終わる理由はね……」
 「ちょ……ちょっと、神父様……っ?」
 アーレストの足先が、崖先を半分乗り出した。抱えられているミートリッテも当然、行き先は同じなワケで……
 「あ、危ないって! 河! せめて河の深さ確かめなきゃ、本当にし、死、……ッ!」
 青褪めたミートリッテの額に口付けを落とした神父は

 「落下そのものが『解放』を表しているのよ」

 何でもない拍子で、躊躇い無く。
 崖からポーンと。
 跳んだ。


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