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少年は旅行をするようです
少年は加速するようです Round5
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Side 愁磨

シアン・パイルとダスク・テイカーが戦い、真名が加速者となった翌日。

俺はデジャヴを感じる寝不足を忍てフラフラと、幽鬼の様に学校に向かっていたら、

何かやわっこいモノにぶつかる。

ボスッ
「ふぐっ!?」

「ぅえ?」


カエルがメメタァされた様な声に頭を押さえつつ見上げると、ハルっちが脇腹を押さえながら

目を白黒させて、挙動不審にこちらを見ていた。

あぁ、ハルっちのお腹だったのね。ナイスクッション、助かった――と心の中でお礼を言い、

お腹をぽんぽこ叩いて下駄箱から内履きを取り出し、教室に向かい、到着するや否や挨拶を

してくる女子に最低限の挨拶と最大限の笑みを返しつつ、机に突っ伏した。無理無理、ホントもう

無理。律儀に学校に来た自分を褒めたい・・・と自分を甘やかした瞬間、意識がプッツリ切れた。

………
……


「ぅあ。」

「あ、起きた!ちょっと寝すぎでしょー!もうお昼だよー!?」

「いくら揺すっても起きなかったのにお昼に起きるとか、どんだけ食い意地張ってんのよー!」

「いやぁ成長期ですからー。」

「成長してる気配ないし!てかそのままでいてー!」


空から落ちる様な浮遊感と共に目を覚ますと、俺の前の席をドッキングしてお弁当を広げる

いつもの仲良し三人組に見つかる。どうやら朝から今まで眠りこけていたらしいが、まだ頭に

靄が掛かっているのを感じた俺は食堂に行くと嘘をついて、昼寝場所を捜索しに教室を出る。


「そもそも昨日調子に乗ったのが間違いなんだよなぁ……あそこでやめとけばなぁ……。」


と、二日酔いを悔やむサラリーマンの様な独り言を吐きながら、第一候補の屋上へ到着。

するとそこには、いつもであれば仲良し三人であろう内の男子二人がパックジュース片手に、

一人は様になる姿で手摺に寄りかかり、もう一人はとふっと乗っかっていた。

すっかり見慣れた二人に手を振って、役割を果たせていない物悲しいベンチに座り、『闇』の

中からマイ枕を取り出して横になる。


「………あの、まだ寝るんですか?」

「ん?んー……寝たの五時だったから眠くてー……。」

「五時って……何してたんだい?」


流石に爆睡魔状態が気になったのか、ハルっちとタッくんに聞かれ昨日の事を思い出す。


「知り合いが"ブレイン・バースト"始めてねぇ……レベル上げしてたんだぁ。」

「そ、そうなんですか。お疲れ様です。」

「その様子だと大分頑張ったみたいだね……レベル上がるまでやってたのかい?」

「そー………昨日で4になったよー。」

「「ブーーーーッ!!」」

「ギャーーーー
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