機動戦艦ナデシコ
1434話
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そんな風に呟くと周囲を見回す。
……どうやら俺が考えた事だってところまでは感じ取った訳ではないらしい。
これが千鶴なら即座に俺の考えだと気が付いて長ネギを片手に迫ってくるんだけど。
しかも千鶴の場合は魔法使いの勘ではなく、純粋に女の勘で。
「アリアドネーの騎士団ってどんな感じなの?」
「そうですね。中々に刺激的な毎日です。ただ……魅力的な飲み物が殆ど売ってないのが残念ですね」
「あ、あははは。ユエちゃんが好むような飲み物って、麻帆良くらいでしか売ってないでしょうしね」
美砂が何かを誤魔化すように笑う。
実際、その言葉は決して間違っている訳ではない。
麻帆良にしか売ってないような奇妙な飲み物を好んで飲むという性癖は、俺が綾瀬と知り合った時にはもう持っていた。
イチゴおでん味のサイダーとか、そういうのはちょっと飲みたいとは思わない。
「あ、でもこの前アリアドネーのお店でレッドスライムジュースというのを見つけたです」
「あ、あははは」
美砂の口から再び上がる乾いた笑い声。
だが……そんな綾瀬の言葉に、意外な反応を示した者がいた。
「レッドスライムジュース? それはどんな飲み物なのかな?」
いつものように無表情でありながら、フェイトという人物をよく知っている者であれば気が付く程度の感情を目に映しながら、綾瀬へと尋ねる。
そんなフェイトに綾瀬は一瞬どう答えようか迷ったようだったが、それでもすぐに口を開く。
「刺激的でいて、ニュルンとした味です」
「ニュルン……そうか、ニュルンか」
その表現で分かったのか。
綾瀬の方も自分の表現で理解されるとは思わなかったのか、少しだけ驚きつつも微妙な表情を浮かべる。
綾瀬がフェイトに対して微妙な表情を浮かべているのは、やはり相手がフェイトだからだろう。
綾瀬のマスターでもあるネギの敵であり、同時に自分達にも色々と敵対した相手。
そんな状況なだけに、まだ心の底から許せてはいないというところか。
何だかんだと、フェイトは面白い性格をしてるんだけどな。
ともあれ、フェイトと綾瀬の間で微妙な雰囲気を醸し出しながらも、俺達は道を進む。
「それにしても……何でお2人はそんなに疲れてるですか? 回復魔法使いますか?」
「あー……いや、いいわよ。ちょっと体力を消耗しただけだから」
「体力の消耗……シャドウミラーではエヴァさんとの訓練があるという話を聞いてますが、それですか?」
好奇心に目を光らせながら尋ねてくる綾瀬。
知的好奇心が妙に強いという性格は大人になってもまだ治っていないらしいな。
いやまぁ、それでこそ綾瀬って気がするけど。
ともあれ、そんな綾瀬の言葉に円は薄らと赤い頬を逸らしながら俺の脇腹を抓
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