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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
外伝〜二大国の落日〜後篇(8章終了)
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「貴女は…………」

「バリアハートの屋敷にはいなかったとヴァイス殿より聞いていたが…………まさかバルフレイム宮にいたとはな…………!」

「貴様は…………アルバレア公の夫人!」

オリヴァルト皇子とミュラー少佐は厳しい表情でアルバレア公爵夫人を睨み、ゼクス中将は怒りの表情で睨み

「オ、オリヴァルト殿下……それにヴァンダール家の方々まで…………」

睨まれたアルバレア公爵夫人は表情を青褪めさせていた。

「アルバレア公爵のだと?―――――言え。エレボニア皇帝を殺害した下手人は誰だ。口を割らなければこの場で命を落とすと思え。」

オリヴァルト皇子達の言葉を聞いたヴァイスは眉を顰めた後鞘から剣を抜いて剣の切っ先を夫人に向け、ヴァイスに続くようにアルやリセル、さらにはオリヴァルト皇子達もそれぞれの武器を夫人に向けた!

「ヒッ……!しゅ、主人…………アルバレア公爵閣下とカイエン公爵閣下です…………!」

武器を向けられた夫人は悲鳴を上げた後答えた。

「なっ!?」

「おのれっ!エレボニア貴族であるにも関わらず皇族……それも陛下をその手にかけただと!?」

夫人の言葉を聞いたミュラー少佐は驚き、ゼクス中将は怒りの表情で声を上げ

「……何故そのような事になったのかこの場で話してくれないかい?」

オリヴァルト皇子は真剣な表情で尋ねた。そして夫人はその場にいる全員にエレボニア皇帝が殺害された理由―――――アルバレア公爵とカイエン公爵にそれぞれの親類とアルフィン皇女とセドリック皇子の政略結婚の許可を迫り、固く拒否続け、オズボーン宰相を庇うと共に内戦を止めるように説得し続けるエレボニア皇帝に業を煮やした2人が同時に銃を撃ってエレボニア皇帝を殺害した事を説明し、たまたまその場に居合わせてしまった自分はアルバレア公爵達に黙っている事を厳命された事を説明した。

「クッ……!そこまでして”貴族”によるエレボニア帝国を作りたかったのか……!」

「権力に溺れた愚か者共が……!」

説明を聞き終えたミュラー少佐とゼクス中将は怒りの表情で声を上げてそれぞれ壁や地面を拳で殴りつけ

「………………オリビエ、その女はどうする。お前やアルフィン達の仇は俺とゼクス中将が討ってしまったが……その女は仇の妻であり、事情も知っている上、皇帝を殺されたというのに黙りつづけたという事はアルバレア公爵達と同じ輩だ。お前にはその女を殺す権利はある。その女の処遇についてはお前に任せる。」

「…………………………」

ヴァイスに尋ねられたオリヴァルト皇子は目を伏せて黙り込み

「ど、どうかお慈悲を、殿下……!」

夫人は表情を青褪めさせて叫んだ。

「………………牢屋に閉じ込めておいてくれないかい?
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