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約1つのラベルと心臓
第n+6話 駅とスーパーと空に
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ってどうすんだよ?」
「行く」
「キャベツぐらい日本で買えよ」
「買わないわよ?」
「は?」
「冷やかして帰る」
「迷惑なやつだなお前」
「よく言うじゃない、3個で0円」
「売り物じゃねぇよそれ」
「50個100円」
「なんでコスパ悪くなってんだよ」
「タダより高い物は無いって言うし」
「そういう意味じゃねぇだろ」
「あそこのスーパーは一株何円?」
「知らねぇよ」
 美都子が指差したスーパーは、まるで夏雄の見たスーパーのような色合いで翻訳しないと分からない名前が書かれていた。そしてそのすぐ隣には、夏雄が見覚えの無い駅名を刻まれた見覚えのある電車の駅があった。
「このスーパーは何か特徴があったりしない?」
「特徴?」
「下から合体ロボが出てくるとか」
「んなのあったとして俺が知ってると思うか?」
「可能性はあるわよ。夏雄君が日本の平和を守る正義のヒーローかもしれないじゃない」
「ねぇよ」
「ガラじゃないって感じね。じゃあ、正義の合体ロボ?」
「俺は人間だ」
「合体人間」
「合体にこだわるなお前」
「知ってる?人という字は2人で押し相撲した時に間合いが広すぎた様子を文字にしてるのよ?」
「押し相撲歴史長ぇなおい」
「逆よ。漢字が誕生したのは実は一昨日ぐらいなのよ」
「んなわけねぇだろ」
「3日前に、私がうっかり『漢字なんてなくなっちゃえばいいのに!』って言っちゃったのよ」
「どうしたんだよ」
「いやぁ、SNSで会話してて、『お食事券』ってところを『32回目の脱税問題』って撃っちゃって、そのせいで知り合いの不正が発覚しちゃったのよ」
「誤変換あんま関係無ぇな」
「それでうっかりそんなことを望んじゃったからハッと我に返って慌てて取り消そうとしたの。そしたら怪しそうなおじさんが、『君が漢字を生やす為には、その代償として君の短歌を作る才能を頂くことになる』って言ってきて」
「気持ち悪ぃな」
「仕方無いから私はその人に闘いを挑んだわ」
「物騒だなおい」
「そして死闘が続くこと1週間、」
「時系列無茶苦茶じゃねぇか」
「ついに私は闘いに勝利して、見事漢字を取り戻すことに成功したわ」
「元はお前のせいってことになってるがな」
「というわけで漢字の歴史が変わったんだけど、折角リニューアルするんだしってことで元の漢字そのものでもつまんないしアレンジを加えようってことになったのよ」
「料理失敗するやつみたいだなそれ」
「例えば、『火』って漢字、何の姿を表してるか分かる?」
「え?……なんか、火が点いてる感じじゃねぇの?知らねぇけど」
「あれは外野が応援してる中で押し相撲をしたら間合いを広く取り過ぎた様子を示すことにしたのよ」
「押し相撲好きだな」
「まぁそれはともかく、」
 2人はスー
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