機動戦艦ナデシコ
1433話
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いる服に映す為のシステムなら十分間に合っているよ。何でも他の歌手にも使うという事で、今はその調整に四苦八苦してるけど」
「いや、そうじゃない。……シェリルの衣装については多少興味深いけどな」
シェリルは……いや、この場合は女はと言うべきか、着ている服の影響で受ける印象は大きく違う。
特にシェリルは舞台慣れしているせいか、その傾向が強い。
色っぽい軍服を着ている時は妖艶と呼ぶべき魅力を表しているのに、白いドレスを着ると純真なようにも見える。
この辺はシェリルが衣装によって演じている……というか、自然とそういう風になってしまうというのが正しいらしい。
天性の演技者と呼ぶべきか。
「じゃあ、何だい?」
「フィリオには向こうの世界にツグミって恋人がいたよな? そいつと結婚を考えた事はあるか?」
「……え?」
まさかこの場面で結婚について聞かれるとは思ってなかったのか、一瞬呆けたような表情を浮かべたフィリオだったが、すぐに頬を赤くして視線を逸らす。
……女がやるんならともかく、フィリオみたいな男がそんな行為をしても何とも思わないんだけどな。
いや、ツグミならこんなフィリオを見てときめくのか?
「い、いきなり何を言うんだい。そんな、結婚だなんて……」
少し照れた様子のフィリオだったが、1分程経つと落ち着いたのか俺の方へと改めて向き直る。
「そうだね。今は何故か向こうの世界と連絡が取れなくなっているけど……いずれ、将来的に僕はツグミと結婚をしたいと思っている。正直なところ、シャドウミラーに所属する前……正確には病の治療をする前は結婚なんて考える事くらいしか出来ないと、そう思ってたんだけどね。まぁ、シャドウミラーに所属したおかげで、病は治ったけどツグミと連絡を取れなくなったのは……正直痛し痒しといったところかな。でも、もしシャドウミラーに所属していなければ、僕がこうしてライブ会場の建設やセッティングなんて真似も出来なかったし、何より……」
一旦言葉を切ったフィリオの視線が、改めて俺へと向けられる。
「妹の……スレイが幸せそうにしている光景を見る事は出来なかっただろうから、僕としてはシャドウミラーに来た事を後悔はしていないよ」
フィリオの顔に浮かんでいるのは、満面の笑み。
スレイも以前は兄様大好きなブラコンだったが、フィリオも表に出ていないだけで妹大好きシスコンだったんだな。
まぁ、フィリオの場合はそこまで強烈なシスコンって訳じゃなかったんだろうが。ツグミという存在もいたし。
それに比べると、スレイはかなり重度のブラコンだった。それこそかなり強引な治療が必要だったくらいには。……治療? この場合は治療という表現が相応しいかどうか分からないが。ともあれ……
「そう言っ
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