Ammo06。囚われの少女
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あの後、意識を取り戻したヒルダに対超能力者用の手錠をかけて拘束した俺はヒルダを連れて森を駆け抜けた。森から出ると目の前には湖が広がっていた。太陽の光がキラキラと反射する綺麗な湖にも驚いたが眼前に聳え立つ城を見て、さらに驚きの声を上げてしまう。
「うわぁ、如何にも……って、感じな古城だなぁ」
「おほほほっ! どう、驚いたかしら? この優雅に聳え立つ城こそ、我が吸血鬼の居城『アルカード』よ」
ヒルダが高笑いしながら自慢げに告げる。なるほど。自慢したくなるわけだな、こりゃあ。
その城はとにかくデカかった。映画『ハリー◯ッター』に出てくるホ◯ワーツ城並みの大きさの城が湖のど真ん中に建っているのだ。
城の周りを囲むように湖が広がっていて、城に行くには湖に架かる橋を渡る必要がある。周辺の森には狼がいる為、地理的に攻めにくい造りになっている。
「随分古そうな城だけど、どのくらい前に建てたんだ?」
敵情を知る話題を振るチャンスだと思い、まずは城の内部情報を吐かせようかとヒルダに聞いてみると。
「さあ? 詳しいことなんか解らないわ。興味もないし。私が生まれる前には建ってたみたいだし、お父様はほとんどこの国から出たことがないと仰っていたけど、この国に吸血鬼がいることが伝わってから少なくとも600年は過ぎてるんじゃないかしら?」
ろ、600……年?
あまりのスケールのデカさにクラっときた。
さも当然と言った感じで話すヒルダだが、普通の人間な俺の感覚からすると、目の前の城は荒らしてはいけない貴重な文化財に見えてくる。
(これ、中でドンパチやって、後で国や保護団体から苦情来ないよな?
遺跡を荒らした危険人物扱いされるとか……嫌だぞ?)
「中に住んでるのはお前とブラドだけか?」
「ええ、そうよ。ふん、なるほど。私達の情報を聞き出そうといった魂胆ね? 本来なら下等な人間であるお前には何も教えないところだけど……いいわ。特別に教えてあげる。
城にいるのは私とサヨ……お父様だけよ」
ふむ、やはり、原作同様。ブラドは小夜鳴に擬態してるのか。
つまり、小夜鳴を捕まえることが出来ればブラドとの戦闘は回避出来る可能性があるってわけで……。
なーんて、都合のいい展開を期待していたが。
現実はそんなに甘くなかった。
______ズズッン!!!
まるで巨大地震が襲ってきたかのような衝撃が城の前にいた俺達に襲ってきたからだ。
これは??
「地震か? ヨーロッパなのに……」
「ふ、ははははっ! 地震? あはははっ! 面白いことを言うのね。地震なんかではないわ。もっと恐ろしいものよ。さあ、来るわ。来たわよ。
さあ、彼が来たわよ!」
ヒルダの
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