Ammo06。囚われの少女
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も振りも全く違う。
掛け声だけのなんちゃってア◯ンストラッシュだ。
それにしても常人の125倍の出力は凄まじいな、鋼鉄製の扉はまるで豆腐のようにスパァッと斬れたぞ。
しかし、これでは斬れた木刀が凄いからなのか、『雷神』で身体強化したからなのか、どっちが凄いのかいまいち解らんな。うーむ。
「な、何をしたのよ、今……」
『今、私の目の前で何が起きたの??』と、俺の周囲ではわりとよくある反応をヒルダがしたが、俺自身特別なことは何もしていないので答え難い。
ただ単に、身体強化した身体で手にした木刀を振り下ろして、扉をぶった切っただけだからな。
それも、感触的には箸で豆腐を切る感覚に近い。
特別なことは何もしてない。
「別に大したことじゃない。ちょっと木刀で扉を切り裂いただけだ。こんなの誰でも出来ることで、おかしくはない」
「いえ、おかしいわよ??」
吸血鬼に突っ込まれた。
そんなにおかしいか?
「いやいや、世の中には木刀で真剣と渡り合う侍とか、何でも斬れる刀とかあるから、別におかしくは……」
「比べる基準がおかしいことに気づきなさいよ??」
くっ、存在自体がおかしい吸血鬼に突っ込まれるとか……なんなのもう。
「仕方ないじゃないか! 身内に駆逐艦沈めちゃった祖父とか、人間辞めた人間とかいればそりゃあ、鋼鉄製の扉くらい斬れるようになるよ!」
「普通はそうならないと思うわ。本当に人間なのかしら? 人間にしてはいろいろおかしいわ。気のせいだと思っていたけど貴方からは私達に近い匂いを感じるし。まるで似ている存在のような……。
まあ、気のせいよね。それはともかく貴方も苦労してるのね……ぐすん」
おや? 鬼の目にも涙が。
あれ? もしかしてヒルダさんいい人?
というより、あんがいチョロい人?
なーんて考えていると。
ジトーと、ヒルダは俺を睨み付けてきた。
くっ、鋭いな。ヒルダの癖に。
ヒルダの癖に……。
「なんだか、とっても馬鹿にされた気がするわね。
まあ、いいわ。アイツのいる場所ならあっちよ」
そう言ってヒルダが指差す。
その手の手首には手錠がかかったままで、一応逃亡防止の為にヒルダに付けた手錠と俺の手首に付けた手錠との間は鎖で繋がっている。
「あっちか。行くぞ!」
俺はヒルダが指差した方向に向かって駆け出した。
木刀を手にしたままなのでガンダールヴの速さで駆け抜ける。
手首が少し重く感じるが、走れないほどの重さではない為、強引に引っ張りながら走った。
「え、ちょっ、ちょっと待ちな……ヒャアアア!!!」
ヒルダが何か叫んでたが、よく聞こえん。まあ、放っておいても大丈夫だ
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