Ammo06。囚われの少女
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ヒルダに案内された俺は城の地下道を歩いている。地下道は暗くてジメジメしていて、寒い。
ヒルダにもうちょっとマシな道はないのか! と文句を言ったが。
「あら、こんなに暗くてジメジメして、涼しい快適な空間は他になくてよ?」なんて、驚きの発言が返ってきた。糞、蝙蝠女め! お前らの感覚で語るな! 吸血鬼はやはり、人間とは感性が異なる生き物らしいな。
吸血鬼にとっては過ごしやすいのかもしれないが、人間にとっては劣悪な環境だぜ。
「さあ、着いたわ。この先が飼育小屋の入り口よ」
ヒルダは大きな鋼鉄製の扉の前で歩みを止めた。
飼育小屋。
その言葉で思い浮かべるのは、牛や豚、鶏などの家畜だが、きっと俺が思い描くものとは違う。
この先にいるのは、吸血鬼にとっての家畜だから。
「ちゃんと生きてるんだろうな?」
「当然よ。死んでたら新鮮な生き血が飲めなくなるじゃない? 馬鹿なの? 筋肉しか取り柄がないのかしら?」
ヒルダのその言葉にイラっときたが、ここで殴ってもスッキリしないので今はガマンしておく。
スカッとするにはそれ相応の場面を用意しないとな。そう、例えば筋肉馬鹿な爺ちゃんとタイマンとか。圧倒的な筋肉で叩き潰されたりする場面とか。ヒルダを泣かすプランを練るのも面白そうだ。
「……お前は後で殴るのは確定事項として、この中で金髪の少女は何人いる?」
「ッ……! やっぱりアイツが目当てだったのね。知ってるのに尋ねるなんて、いい性格してるわねー」
「いいから答えろ!」
「……二人よ。二人とも珍しい血液型だから生かしてあるわ」
ギギギィと、奥歯を噛み締めながらヒルダは答える。
悔しいんだろうな。格下と思っていた人間に負けた挙句に、自分達にとって、有能な遺伝子と血液型を持つ子供を奪われようとしているのだから。
「そっか。よかった。助けられる……」
ふー、とりあえず生きていてよかった。死んでたらアリスに『嘘つき呼ばわり』されるからな。
無事で一安心だ。
さあ、さっさと助けてトンズラするか!
そう思い、俺は鋼鉄製の扉の前に立ち、背中に差した木刀を抜いて構えた。
『雷神』は継続中だ。今の状態は言うならば……『雷神モード』。
身体中に溜めた電気を流して解き放つ、生体電気を利用したモード。
その溜めた電気を木刀に流すイメージをする。
よし、行くぞ!
「ア◯ンストラッシュ!」
天高く掲げた木刀を振り下ろし、思いっきり扉に叩きつけた。
スパァーン!
木刀に籠めた力はだいたい50%くらい。
『雷神モード』発動中だから常人の125倍くらいの出力で扉をぶった切った。
ちなみにア◯ンストラッシュと掛け声を出したが、型
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