Ammo06。囚われの少女
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
声と共に聞こえてきたのは、かなり激しく動き回る筋肉の音。
人間のではない。それは人間を遥かに超える量の筋繊維、そしてバネをしならせて、動く巨体。
筋と肉が間接を擦り合わせる音。そういった音がヒルダが上げた声と共に聞こえてきた。
(人間じゃない。人間でこんなに筋肉を鍛えるなんて、一部の人達を除いて不可能だ。そもそも身体の造りからして違う。さっき戦ったヒルダは人間態と変わらない形態だったから、人間と同じような感じだったけど、これは違う。人間じゃない。人間を超越した存在。
まさに______)
______ズシーン!!!
強い衝撃が俺達を再び襲う。
ガラガラっと、何かが崩れる音が聞こえ、見ると城壁の一部が崩壊していた。
人1人通れそうな穴が分厚い城壁の向こう側から開いている。
地震で壊れたのではない。
壁の向こう側から強い衝撃を放たれたんだ。
「おほほほっ! ごらんなさい、アレを」
ヒルダの視線の先に顔を向けると、そこには巨木に木の幹が突き刺さっていた。
それはまるで巨大な木の長槍。
それが巨木の幹に真横に突き刺さっていたのだ。
なんだ、これ?
「あれはお父様が遊びで投げた木の幹よ。目覚めの暇つぶしにああして身体を動かされているの。人間でいうダーツ遊び。どんな巨木も変身したお父様にとってはただのダーツの矢と同じことよ」
吸血鬼の暇つぶしはダーツ遊び?(それも巨木限定)
ダーツの矢代わりに巨木投げ飛ばしちゃうとか……自然保護団体が知ったら卒倒しそうだな。
まあ、あのブラドならさもありなん、だな。
などと考えていると再び……
______ズシーン!!!
穴の中から、木が吹き飛んできた。
「……マズイわね」
ヒルダが顔を青くして呟く。
「何がマズイんだ?」
「何でもないわよ。ええ、決して下等な人間に捕まった事実をお父様に知られたくないとか、そんなこと思ってないわ!」
あ〜なるほど。つまり。
「ああ、ブラドにバレるのが怖いのか?」
「っ〜?? ち、違うわよ。そんなことは決してないわ。ただ、下等な人間に捕まった事実を知られたくないだけよ!」
「凄んで怒鳴り散らしても、超能力封じてるから怖くねえよ。
つうか、その下等っていい方止めろ。人間ごときに捕まった下等な吸血鬼さんよ?」
「っ〜?? 言わせておけば……下等な人間の分際で!」
「その下等な人間に負けたのはどこのどいつだよ」
「負けてないわ。ちょっとしくじって捕まっただけよ。ええ、私はまだ全力を出してなかったもの! 天気がいい日に戦えば絶対に私が勝つわ!」
ヒルダが言う天気がいい日にか……そんな日には戦いたくないが、いざ戦いにな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ