第十二話 孤独の者その一
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第十二話 孤独の者
新王が即位した後王位継承権もあらためて定められ国はその新王の下での動きをはじめていた。そして。
その中でだ、王はマリー達三人を呼んでだった。その中のセーラとマリアに対して言った。
「ではだ」
「はい、間もなくですね」
「私達は」
「この国を出ることになる」
嫁ぎそうしてというのだ。
「それぞれの国でも達者でな、そしてだ」
「嫁いだ国でもですね」
三人は王の前で膝をつき畏まっていた、王に対する礼儀だ。
その膝をついた姿勢のままだ。セーラは顔を上げて王に問うた。
「この国のことを忘れるな」
「そしてだ」
「その国の者になれ」
「そうだ、二つの国のことをだ」
そのどちらもというのだ。
「忘れるな、いいな」
「畏まりました」
「私もです」
「それが余がそなた達に願うことだ」
セーラ、そしてマリアにというのだ。
「しかと心に定めて行くのだ」
「そう致します」
「私もです」
マリアも言う。
「そうします」
「神に誓い」
「そなた達の婚姻はそれぞれ二つの国の命運がかかっている」
まさにという言葉だった。
「我が国に半島、島国のな」
「三国のですね」
「それぞれの」
「我々は大陸から離れている」
海を隔ててだ、この国だけでなく周辺諸国も含めて大陸からは離れているのだ。宗派は違えど同じ神を信じていて肌の色が同じでもだ。
「それ故に四国が争ってきたがだ」
「その争いもですね」
「終わらせる時ですね」
「その時も来ている、そして争いを終わらせ」
そのうえでというのだ。
「あらためてだ」
「はい、そしてですね」
「四国を一つにする」
「願わくば」
「その為にも」
「そなた達には四国とその民全てがかかっている」
まさにという言葉だった。
「だからだ、いいな」
「はい、王家の娘として」
「二つの家を結びつけてですね」
「国も結びつける」
「平和の為にも」
「そうするのだ、ではだ」
王は二人にあらためて告げた。
「達者でな」
「その時は」
二人は同時に言った、そして。
王はマリーにもだった、こう声をかけた。
「マリー王女」
「はい」
「そなたは婚姻はまだだが」
「それでもですね」
「養子を向かることになる」
「北の王国から」
「その王子のことを頼む」
こう告げるのだった。
「だから同じだ」
「四つの国を一つにすることと共に」
「平和をもたらすことはな」
「だからですね」
「そうだ、何としてもだ」
マリーもというのだ。
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