code8 本番
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「…なるほど、『ゼロの世界』、彼はナンバーエイト…なのですね」
「…ああ」
Dはペストマスク越しながらも鋭い眼光で神玉を黙視する。
完全に治癒し、くっついた腕に違和感でもあるのか右腕を抑えながら座る雄大の表情は暗い。
「…もうここに痛みはない。…しかし、この痛みが引いてからか…胸の痛みを今になって感じてきた」
「彼の肉体に所々損傷があります、どこも綺麗に取り除かれている…異能を行使したのは間違いありませんね」
スサノオの言葉を思い出す、『虐殺マシーン』、と
彼の異能の本質を知っている彼らはその行為、彼の心中の非道さが身に染みてわかっていた。
「ヤツはこの異能で人間の命を…」
そこで雄大の表情が変わる、何かに気がついたように。
「…虐殺…殺人だと?」
雄大は手を頭に当てて記憶を探り、唸る。
「たしか…奴は、自分のことを歯向かってきた者を屈服させる『戦闘員』と言っていた…だが、同時にヤツは『異能者の世界』を作るとも言っていた。それならば何故異能者を殺す必要がある?」
「そもそもの噂…いや、ゼロの世界は実際し、正確にその実証がある。無能力者を異能者に変えられると言う実証が」
「そして再びこの世界に現れる時、その元無能力者は狂っている…それはゼロの手駒になったことに等しい…だが、洗脳異能を併せ持っている訳ではないとすると元の異能者は邪魔な存在…」
Dは雄大に視線を向け、手話のように掌を向け説明のように淡々と語る。
「…つまりゼロの手駒にはならない。と、いう訳ですか。なるほど…だから神玉くんは使われていたのですね。
他の者では異能者と断定してから殺すまでにボロが出てしまうかも知れないが、彼は暗殺に最も向いている。騒ぎの前からしっかりとやっかいになるであろう異能者を断定して殺していた…」
Dが立ち上がり、雄大もゆっくりと腰をあげる。
「つまり奴らの目的はーー
ーーーこの街を大きな騒ぎでかき回し、異能者に危機を感じ逃げた者を無能力者と断定して自分の兵に変え、逃げ出さない者は警察機構や異能会社のような異能を扱う戦闘員と断定して屈服させる。最終的には狂った異能者の集団を率いてこの街の全てを制圧する。
この街は中央街、異能福祉会社『Unusual talent』の本社があり異能者への支援が大きいため、世界で最も多くの異能者が存在する場所だ。
「奴らは今まで、ここまでの大事をせず都市伝説として噂を定着させ、『狙われるのは無能力者のみ』という噂を定着させた、同時に着々と少しずつ兵を蓄え、この街を制圧する絶対の可能性を持ってきたのだろう」
「おそらく神玉くんは彼が言ってたようにスイッチ、彼が殺されたことで兵を放つ可能性は充分に出てきました」
雄大はく
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