第6章 流されて異界
第149話 告白。あるいは告解
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、名づけざられし者たちの目の前で解決して見せる事によって、彼の関心を買おうとした。
目的はおそらく、吊り橋効果と有希が彼からの信頼を得る事。
こんな連中が、自らが言うほどの高尚な存在だとはとても思えない。まして、相手に人間らしい真面な思考能力があるのなら、有希や思念体が時間移動の為の何らかの技術を有している事や、未来に起きる事件を予め知っていた、と言う事を知られたら、それまで得て居た信頼を一瞬の内に失う可能性が高い事にすら気付きもしない。
情報収集を続けてきた結果、進化の極みに達した情報生命体として、これはあまりにもお粗末過ぎるでしょう。
おそらく、彼女に生殖能力が付与されている本当の理由……情報統合思念体の意図した理由。そして、更にソイツらを産み出した存在の意図した理由は……。
そう考えを回らせ掛けた瞬間。
小さく首を横に振る有希。これは当然、拒絶。何に対しての拒絶なのか判断に迷う所なのですが……。ただ、もしかするとこれが、彼女が発して居た決意の正体なのかも知れない。
「わたしに人間の生殖能力が付与されている理由。……それは、わたしを含めて、すべてのインターフェイスの役割が邪神の贄だから」
激高するでもなく、小さく囁くようにそう言った後に、しかし、思いなおしたかのように首を横に振る有希。そして、
「違う。朝比奈みくるも含めたSOS団すべての女生徒がそう言う役割を持っていたと推測出来る」
……と言い直した。
……成るほど。また幸せの妖精さんが自らの周りから消える事になるのだが。そう考えながらも、心の底から湧き上がって来る感情は押さえる事が出来ずに、大きくため息を吐いて仕舞う俺。
矢張り、その思考の袋小路に入り込んでいるのか。
「有希。オマエが相手をして居る連中を舐めて居てはいけないぞ」
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