暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第149話 告白。あるいは告解
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など存在しないと。
 何故ならば、この地球世界には付喪神(つくもがみ)と言う存在がいる。無機物。例えば作られてから長い時間人間と共に過ごした人形や、使い続けられた物品に魂が宿った存在。
 コイツら(=付喪神)が如実に物語っている。意志を持たない。あまつさえ、本来は自分の意志で動く事さえ出来ない連中でも長い時間を掛けたなら、其処に人間と同じレベルの魂は宿る。心を得る事が出来る……と言う事を。
 そして、ソイツらと人間との間に恋愛感情が発生しないのか、……と問われると、否と答える。ついでに、子を為した例も当然ある。
 そもそも妖物や妖怪。其処から更に修行を積んだ仙人の中には、無機物から発生した存在が幾らでも居る。

 果たして宇宙発生と同時に誕生。その後、ありとあらゆる場所から情報を収集し続け、その結果、新たな情報を得られなくなり進化の閉塞状況に陥ったような情報生命体が、俺が知っている程度の情報を知らない、……などと言う事が起きるのか?
 いや、もしかするとこの地球と言う星が辿って来た歴史自体が異常で、其処に暮らすすべての生命は宇宙の常識から言うとかなり歪な存在。これまで情報統合思念体と呼称して居る連中が接触して来た、情報を収集して来た存在たちとはかけ離れた生命体たちだと言うのか?
 奴らの自称を信じるのなら、百三十八億年ほど時間が経過しているハズなのだが。
 更に言うと、現実にそう言う存在……神や魔物の類が存在していないとしても、フィクションの世界にすら登場した事がないような世界の情報しか、この宇宙には存在しなかったのか?
 このような硬直した思考では、多元宇宙の存在すら否定していると思うのだが。

 そんな事は断じてありえない。俺は完璧でもなければ、唯一絶対の存在でもない。例え、進化の極みに達したと言うのが自称に過ぎなくても、少なくとも俺が知っている程度のこの世界の常識を、そいつ等が知らないと言う事は考えられないと思う。
 例え思念体が得た情報がフィクションの中にのみ存在している……と言う情報だけだとしても、そう言う存在が現実に居る可能性は常に考慮していると思う。特に、この情報統合思念体自体がその情報の世界にのみ生きる存在なのだから。

 まぁ、自分で律しちゃう進化の極みに達した存在だと日本語で自称していた連中なので、コイツらは程度から言うとレギオン。……聖書関係。マルコの福音書に登場する悪霊の集合体と同レベルの存在だと思われるが。
 俺でも()()()()と言う日本語の意味の違いぐらい知っているのに……。
 それに、コイツらが為した事と言えば、そのまま放置すればかなり危険な事となる可能性のあった事件を、自分たちが観察をする事の方を優先させる為にそのまま放置。そして、ギリギリのタイミングで介入し
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