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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#13
DARK BLUE MOONX 〜Dead Man's Anthology〜
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に調和していた。
 ただしエントランス正面に設置された、
創設者らしい男のやけに悪趣味な銅像が玉に致命傷だったが。
 ロビーに設置された販売機でチケットを購入し、
その中ほどにあったインフォメーションで承太郎は展示物を確認する。
 どうやら今展覧されているモノは、
世界各国から古今より厳選した「硝 子 工 芸(グラス・アート)」らしかった。
 都合が良い。
 昔から透明感のある色はスベテ好きだったし、
平日の美術館という雰囲気も嫌いじゃない。
 そういえば、幼い頃は母の手に引かれて
よくこういった場所を訪れていた記憶がある。
 眼前に延びるアーチの先、展示台に置かれた種々折々のグラスアートが
陽光の中で様々な色彩に煌めいていた。
 承太郎はそれら崇高な芸術品を、己のライトグリーンの瞳で(つぶさ) にみつめていく。
 スタンドや己の血統とは関係ない、今は年相応の一人の青年に戻って。
 その先に待つ、この世ならざる者との邂逅など、予想だにしえないまま。



【2】

 気がつくと、美術館の第三層にまで自分は昇っていた。
 美術に対してそれほど深い造詣が在るわけではないが、
基本同じ材質のガラスが透き通った円柱や絡み合う蔦を模した緑のレリーフ、
空間を掴むように曲げられた手など全く違った形に変えられ
それらを眺めているうち密かに、己の心中で共鳴するモノが在った。
 おそらくは造型の技術ではなく、その奥に秘められたモノに。
 芸術(アート)とは、端的に言ってしまえば人間の精神の表れ、
つまりはその具現化だ。
 故にソレが己の裡に宿るスタンドと、否応なく共通する部分が在るというコトを
感じた所為かもしれない。
 時計を見ると、もうこの館内に入ってから3時間が経過していた。
 おそらく出館する頃には、日も完全に落ちているだろう。
 時間も忘れるほど美術品に見入っていたという事か。
 久しぶりに、一人になった。
 今までは頼みもしないのに、いつもオマケが横についていた。
(……)
 そう言えば、本当に一人になったのは久しぶりだ。
 家にいても、外に出ても、気づけばいつも傍にあの少女がいた。
 買ってきた本を読む時、借りてきたDVDを観る時、暇潰しにPCを動かしている時、
いつもいつも当たり前のように彼女はいた。
 一度気まぐれにバイクで遠出しようとした時など、
動き出したリアシートに彼女が飛び乗ってきたコトも在ったくらいだ。
 それらを不快に想ったコトは、多分なかったように想える。
 それくらい当たり前の事象として、日常の風景として、
彼女は自分の生活に溶け込んでいた。
(……)
 だからなんだというんだ。
 承太郎は学帽の鍔で目元を覆う。
 少女とは、シャナとは
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