第ニ十一話。変わる日常
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いしますね」
そう呟くのだった。
俺は理亜の身体をさらに強く抱き締めて告げる。
「……ああ、任せておけ」
俺の物語はみんな、守り抜いてやる!
そう心に誓ったのだった。
翌日。まだ薄暗い早朝の中。
俺は自宅近くの公園に来ていた。
そこにあるベンチの一つに腰を下ろし、待ち人が来るのを待つ。
頭上にある木々が風に揺れ、木々の葉の間から陽の光が差し込む。
空を見上げれば、青い空に白い雲が浮かぶ。
昨日の雨が嘘みたいだ。
公園を見渡すと、そういえば……と思い出す。
確か、キリカと戦ったあの日に座ったベンチもこの場所だったな。
この変に真っ赤な虫がいて……そうだ。Dフォンで周りの風景を撮っていた俺にキリカが声をかけてきたんだっけ。
ベンチから立ち上がり、ポケットからDフォンを取り出す。
そして。
確か……この辺で。
記憶を頼りに、あの日の再現を行う。
カメラをありとあらゆるところに向け、一心不乱にコードを探す。
カメラをベンチとベンチ脇に生えてる草木に向け、そして再びベンチに向けた。
その時だった。
ゾクリ。
Dフォンのカメラにありえないものが写ってしまった。
今のは?? 見間違いか? いや、まさか……。
ついさっきまでそこには何もなかったじゃないか!
馬鹿な……ありえん。
再びカメラをベンチに向けるが、そこには何もない。
気のせいか?
ベンチに背を向けると。
「お待たせしました」
ゾクリ、背後から強烈な寒気を感じる。
同時に手に持つDフォンが真っ赤に発光し、発熱した。
馬鹿な、ありえん。
ついさっきまでそこには誰もいなかったのに……。
背中に先が尖ったものが当てられた。
チクチク、と刺さり痛い。
なんだ? 何をされてる??
「……って痛えー!!!!! 一体何で刺してんだ??」
「別に何も……ほら」
一之江が両手を広げてみせてくるが、その手には確かに何もなかった。
何もないのが逆に怖い。いつものことながら、コイツ何を刺したんだ?
「今のはただ指で刺しただけですよ」
「指?? 指であの痛さー??」
馬鹿な、どんだけ指先が強いんだ。まるで至近距離から銃弾を食らったような痛さだったぞ。
「指銃です」
なんだその理子とかが付けそうな技のネーミングは!
「この指銃を進化させたのが、先日お見せした瑞江・ドリルなのです」
「そうなのか……?」
「はい、そうなんです」
「……」
あまりに堂々と告げる一之江の態度に、俺はそれ以上突っ込むのをやめた。
「ところでこんなところに呼び出してどうするつもりですか?」
「ん? ああ……大事な話しがあるんだ」
「ああ……ま
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