第ニ十一話。変わる日常
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語になって一緒に戦おう』の言葉は、とても、とても……嬉しかったんですから」
そう告げる理亜の声には穏やかさと……柔らかさが現れていた。
そう。そうなんだ。やっぱり俺にとって理亜は従姉妹であり、大事な、大事な妹の一人なんだ。
俺のことを『好き』でいてくれる……大切な女の子なんだ。
理亜がこれだけの勇気を見せたんだ。
だから、俺もちゃんとした返事をしないといけない。
理亜に伝えないといけない。
自分のことを。
自分の気持ちを全て。
「ありがとうな、理亜。
俺のことを想ってくれて、俺の妹でいてくれてありがとう」
「……兄さん?」
理亜は俺の瞳をじっと見つめてきた。
「理亜。俺はお前の気持ちには答えられない。その資格はない。
何故なら俺は……お前の知る兄じゃないからだ」
俺は理亜の瞳を見つめ返して、その瞳から目を逸らさないように。逸らしてはいけない気がして、ひたすら見つめ返した。
「……知っています。本当は別人だってことくらい、毎日見てれば解ります。
兄さんは本当はかなめさんの本当のお兄さんなんですよね?」
「知ってたのか?」
「はい。アリサさんから聞きました。ううん、聞かなくても解ります。兄さんのことならなんでも解ります。
妹ですから。大切な兄さんのことですから」
「それじゃ何故、俺に……」
「好き」なんて言ったんだ?
「なんででしょうね。……貴方の中に兄さんがいるから? ううん、貴方が兄さんと似ているから、かもしれません。
兄さんの姿をしているから、兄さんの魂がそこにあるから。ううん、やっぱり一番の理由は……貴方の近くで兄さんの存在を感じて……いたいから」
理亜はぎゅっと瞳を閉じる。
そして、理亜はその言葉を口にした。
「だから、私を貴方の物語にして、兄さんの側に居させてください」
キラキラリーン☆
直後、空気を読まないDフォンがいつもと違う派手な音を奏でた。
「あ……ふふ。なるほど、兄さんの物語になるってことは。心の奥が兄さんと繋がるってことだったんですね」
理亜はそう呟くと自分の胸をぎゅっと俺のお腹に押し付けてきた。
うっ、いかん。ヒステリア性の血流がまた流れてきた。
理亜の奴、意外にあるんだなぁ。
なんて動揺していると。
「あ、いけません、兄さん。そうやってすぐ鼻の下を伸ばしたら」
「いや、これは……理亜が」
「私のせいですか?」
「あ、いや……すまん、自重するから許してください」
「いーえ。兄さんにはおしおきが必要です」
さらにぎゅっと抱きついてきた理亜は、悪戯っ子っぽい笑みを浮かべると。
「兄さん」
「な、なんだよ?」
「私と、私の物語達をよろしくお願
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