第十八話。死の予兆
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とか、そういうのは得られないからな」
だから……ひたすら前へ進む。進むんだ!
「だから、その砲撃を攻略する。全力で撃ってこいよ、アリサ!」
「おおう、マジでか!」
「マジさ。だから容赦なく最大出力で撃ってくるといいぜ?」
「ふむ。そこの姉さんもそれでいいのかい? 失敗したら一緒に消し炭になるわけだが」
「いいに決まってるじゃない。あたしはこいつの物語だもの」
音央は誰よりも偉そうに堂々と告げた。
そして、音央のその言葉に理亜の眉がピクリと動いたのが解る。
「おーっ。でかいのは胸だけじゃなく、肝っ玉もだったんだなぁ。ま、肝っ玉の場合は据わっている、ってのが正しい用法だが」
「へー」
スナオちゃんはあきらかに解ってなさそうな感じに返答していた。
「頑張ればこれくらいは大きくなるわよ?」
音央は余裕を見せるかのように、後輩達に向かってレクチャーしていたが……頑張ればでかくなるものなのか。だったら、一之江やアリアの胸も頑張ればでかくなるのかな?
……想像してごらん。胸がでかくなった一之江やアリアの姿を。
……ダメだ。想像できん。
胸がある一之江やアリアとか、そんな奴らがいたらまず変装を疑うからな!
「ま、ハンドレッドワンがいいならいいぜ。その決断のせいで自分ばかりか、自分の大切な物語までもが消えてしまう可能性があるんだからな?」
そんな中でもアリサはいつもの不敵な笑みの中に、深い意味を込めた視線で俺を見つめてきた。
「どんな手があるのか知らないが、今あんたとそのボインちゃんの『死』はかなり強まっている。それこそ、あともう少しで命、存在が消えるんじゃないかってくらいに」
アリサのその言葉で確信した。アリサは『人の死』までの時間が見えるのではないか、と。
「その作戦はあんたの思い込みに過ぎず、大失敗する。そんな『予兆』が見えているんだが、本当にいいのかい? ボインちゃんも本当にいいのか?」
それは俺を試す言葉だった。あくまで今、アリサが俺達と戦っているのは俺の力や覚悟を試す為のもの。口先だけではない、本当に俺が理亜と一緒に戦える覚悟をしたかを見る為の。
アリサの杞憂も解らなくはない。それは俺も散々考えて、悩んで……そして決めたこと。
だからこそ俺はアリサに告げる。
「多分、今の俺とボインちゃんだったら死ぬだろうな」
「ほほう?」
「ってか、変なあだ名であたしを呼ぶな!」
音央に頭をべしっと叩かれた。
言い出したのアリサなのに理不尽だ。まあ、理不尽な扱いには慣れてるからいいけどさ。
「コホン。ともあれ今の俺と音央だったら死ぬだろうな。なんせハンドレッドワンの能力を手に入れて解ったんだが『|妖
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ