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101番目の舶ィ語
第十八話。死の予兆
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とか、そういうのは得られないからな」

だから……ひたすら前へ進む。進むんだ!

「だから、その砲撃を攻略する。全力で撃ってこいよ、アリサ!」

「おおう、マジでか!」

「マジさ。だから容赦なく最大出力で撃ってくるといいぜ?」

「ふむ。そこの姉さんもそれでいいのかい? 失敗したら一緒に消し炭になるわけだが」

「いいに決まってるじゃない。あたしはこいつの物語だもの」

音央は誰よりも偉そうに堂々と告げた。
そして、音央のその言葉に理亜の眉がピクリと動いたのが解る。

「おーっ。でかいのは胸だけじゃなく、肝っ玉もだったんだなぁ。ま、肝っ玉の場合は据わっている、ってのが正しい用法だが」

「へー」

スナオちゃんはあきらかに解ってなさそうな感じに返答していた。

「頑張ればこれくらいは大きくなるわよ?」

音央は余裕を見せるかのように、後輩達に向かってレクチャーしていたが……頑張ればでかくなるものなのか。だったら、一之江やアリアの胸も頑張ればでかくなるのかな?
……想像してごらん。胸がでかくなった一之江やアリアの姿を。
……ダメだ。想像できん。
胸がある一之江やアリアとか、そんな奴らがいたらまず変装を疑うからな!

「ま、ハンドレッドワン(エネイブル)がいいならいいぜ。その決断のせいで自分ばかりか、自分の大切な物語までもが消えてしまう可能性があるんだからな?」

そんな中でもアリサはいつもの不敵な笑みの中に、深い意味を込めた視線で俺を見つめてきた。

「どんな手があるのか知らないが、今あんたとそのボインちゃんの『死』はかなり強まっている。それこそ、あともう少しで命、存在が消えるんじゃないかってくらいに」

アリサのその言葉で確信した。アリサは『人の死』までの時間が見えるのではないか、と。

「その作戦はあんたの思い込みに過ぎず、大失敗する。そんな『予兆』が見えているんだが、本当にいいのかい? ボインちゃんも本当にいいのか?」

それは俺を試す言葉だった。あくまで今、アリサが俺達と戦っているのは俺の力や覚悟を試す為のもの。口先だけではない、本当に俺が理亜と一緒に戦える覚悟をしたかを見る為の。
アリサの杞憂も解らなくはない。それは俺も散々考えて、悩んで……そして決めたこと。
だからこそ俺はアリサに告げる。

「多分、今の俺とボインちゃんだったら死ぬだろうな」

「ほほう?」

「ってか、変なあだ名であたしを呼ぶな!」

音央に頭をべしっと叩かれた。
言い出したのアリサなのに理不尽だ。まあ、理不尽な扱いには慣れてるからいいけどさ。

「コホン。ともあれ今の俺と音央だったら死ぬだろうな。なんせハンドレッドワンの能力(この力)を手に入れて解ったんだが『|妖
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